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【IS】昼行灯(ひるあんどん)が照らす道
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、貴方に勝目は万に一つも存在しないとお思いなさい!!」
「その意気やよし。だが私とエウリードを止める事は出来ん!!」

セシリアはそのカークスと合わさった目を逸らせなかった。のんびりとしてマイペースな普段の彼とは似ても似つかないほどの気迫と覚悟。男なんてとバカにしたあの時とはまるで別人のように豹変した彼に、気圧されていることを自覚した。



 = = =



『ぬぅ・・・小賢しいBT兵器め・・・だが!!』
『くぅっ!?これだけ撃っても止まりもしない!?』
『その程度でこの私を止められるとは思わんことだ!!』

「マジかよ・・・あいつ、ISに乗ると性格変わるのか?」

一夏はそう言うが、あの変わり様は尋常ではないと箒は思った。
カークスと言えばクラスでは布仏に次ぐマイペースで、いつも何所を見ているのやらぼうっとしていることが多い男だった。間違ってもあのように叫んで突撃する人間ではなかった。彼をあのように変えたのは・・・ISなのだろうか。

実は箒は出撃前にカークスからあのISの事を少し聞いていた。

あのIS「エウリード」は、単純性能と出力に特化した第2世代ISらしい。その余りにも行き過ぎたパワーのせいで乗り手が先に悲鳴を上げた曰くつきのISで、彼が乗るのはそれを再調整してリミッターを掛けたものだと言っていた。
碧い装甲にアクセントをつける様にちりばめられた刺々しい金色のパーツ。何所か悪魔の翼を彷彿とさせるウィング。全身装甲一歩手前まで固められた装甲は平均的なISのそれよりも大型で、見る者に威圧感を与えた。

「ISに振り回されないか心配だ」と苦笑いしていた彼が、今ではレーザーを真正面から突破して、イギリスの鼻持ちならない代表候補生を押している。その事実は、箒に少なからず動揺を与えた。

「一応剣術の嗜みはあるが、ISの技量は素人とさして変わらんようだな。違うのはあの気迫だ」

不意に、千冬が口を開いた。

「どういうことだよ千冬ね・・・先生」
「カークスはISの操縦が卓越している訳ではない。かといってISの性能頼みでどうにかなるほどオルコットは間抜けな相手ではない。あいつは今、気迫だけでセシリアを圧倒しているのだ」

そう言葉を締め括った千冬だったが、その顔色は優れない。
もしそうならば、あの気迫は何所から湧いてくる?あの気迫は常人が出せるものを遙かに超えている。そう、千冬自身が第一回モンドグロッソでぶつけられたそれとも遜色ないほどの気迫を裏付けるものは一体なんだ?

危険だな、と声には出さずそう思った。
いつかあの男は、自分の為だけにあの力を振るうかもしれない。



 = = =



「はぁーっ、はぁーっ、はぁー・・・!!貴方は・・・どうして」
「ふーっ・
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