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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第13話:奥へ奥へと・・・
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映っていた。

『隊長。 ここはやらせてもらえませんか?
 ゲオルグが言ったように状況は最悪というほどではありませんし、
 この先こんなチャンスがあるとは思えないんですよ。
 もし、危険そうならすぐに撤退しますし、俺たちA分隊もサポートします。
 ゲオルグやフェイトが無理をするようなら俺が襟首を引っつかんででも
 連れて帰ります』

ヒルベルトが強い口調で言うと、ミュンツァーはうなり声を上げて目線を下げる。
しばらくしてミュンツァーが顔を上げると、その目には決意の色が浮かんでいた。

『・・・判った。 だがな、全員無事に戻って来い。 これは命令だ。
 シュミットもヒルベルトもいいな?』

『はい、判っています』

「了解しました」

ヒルベルトとゲオルグが揃って返事をすると、
ミュンツァーは厳しい表情のまま頷き、通信を切った。

『気をつけろよ、ゲオルグ』

「わかってます。 ヒルベルトさんもお気をつけて」

『ああ。じゃあな』

ヒルベルトはそう言って最後にニヤッと笑い、通信ウィンドウが閉じる。
ゲオルグは数秒目を閉じ深呼吸すると、カッと目を見開き分隊員たちのほうを
振り返る。

「さあ、行きましょう!」

「はいっ!!」

分隊の全員が声を揃えて返事をする。
ゲオルグが先頭を切って2階への階段へと向かって歩き出す。

「ゲオルグ」

半歩遅れてついていくフェイトが話しかけると、ゲオルグは前を向いたまま、
歩みを止めずに答える。

「なに?」

「あのね、私のために無理に作戦を続けようとしてるんだったら・・・」

「馬鹿にしないでよ」

そう言ってフェイトの言葉をさえぎるゲオルグの肩がわずかに震える。

「エメロードが許せないのはフェイトだけじゃない。
 僕や分隊のみんなも同じだよ」

2階へとあがる階段の前に到着し、ゲオルグは足を止め階段の先を見上げる。

「フェイトも見たでしょ、あの研究所で起きたこと。
 あんなことを起こすようなヤツをのさばらせておくことはできない。
 それを許すくらいなら僕は管理局を辞める。 意味がないから」

そこでゲオルグはフェイトのほうを振り返る。

「だから一緒に行こうよ、フェイト」

そう言うゲオルグの顔には微笑が浮かんでいた。
ゲオルグにつられるようにフェイトも微笑む。

「うん。 一緒に頑張ろ」

そして2人は階段を登り始める。
2人の後にはB分隊の面々が続く。

階段の先は暗くなっていて、先頭を歩く2人にも2階がどんな様子なのかを
うかがい知ることはできない。
一歩一歩階段を上がっていくのと、やがて2階が近づいてくる。
2階の床に足をつけたところで、ゲオルグは1度足を
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