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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第13話:奥へ奥へと・・・
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返る。
そこには右手に握られたバルディッシュを見つめるフェイトが立っていた。

「フェイト」

ゲオルグが声をかけると、フェイトはゆっくりとゲオルグのほうに顔を向けた。

「何かな?」

「大丈夫?」

ゲオルグが尋ねるとフェイトは不思議そうに首をかしげた。

「なにが?」

「精神状態・・・かな」

ゲオルグは言いづらそうにしながらもフェイトに向かって告げる。

「フェイトは僕らの中で飛びぬけた力があるから頼りにしてるんだけど、
 またさっきみたいに自分を見失うようなら、分隊みんなの安全にも関わるし
 作戦への参加を見合わせてほしいんだ。 どうかな、大丈夫かな?」

「大丈夫。 さっきみたいに自分の役割を見失ったりしない。
 信じて、ゲオルグ」

フェイトはまっすぐにゲオルグの目を見つめて、決意をこめた口調で言う。
その言葉を聞いたゲオルグは、しばらくフェイトの目をじっと見つめたあと、
フッと表情を緩めて微笑を浮かべる。

「判った。 一緒にがんばろう」

「うん。 よろしくね」

フェイトは大きくゆっくりと頷き、ゲオルグに向かって笑いかける。

『シュミット』

そのとき、ゲオルグの目の前に通信ウィンドウが開かれ、
画面の中のミュンツァーがゲオルグに話しかけてくる。

「はい。 偵察結果ですね? 何か変わったことはありましたか?」

『いや、特にはない。 エメロードも変わらず3階の小部屋にいる』

ミュンツァーの言葉を聞いたゲオルグは、わずかに眉根を寄せて黙り込む。

「・・・変ですね」

1分ほどの沈黙のあと、ゲオルグは難しい表情をしてそんな言葉を発する。
それを受けたミュンツァーは同じように渋い表情をして頷く。

『そうだな。 偵察に関してはともかく、お前らが突入したのに
 何も動きがないというのはおかしい』

「彼らは偵察に気づいていて、それを逆用しようとしているんじゃないでしょうか」

『かもしれん。 だが、そうだとしてこちらの作戦計画を変えるのもな・・・』

「ええ。 有効な対応策がない以上、偵察情報を信用するのは危険ですね」

『・・・中止するか?』

ミュンツァーが厳しい表情でそう言うと、ゲオルグは首を横に振った。

「いえ。この機会を逃せばエメロードを逮捕できる機会が訪れる保障はありません。
 幸い、偵察情報を信用できない可能性が高いということは事前に
 わかっているんですから、十分注意を払ったうえで作戦を続行させてください」

ゲオルグの言葉に、ミュンツァーは腕組みをして考え込む。
そのとき、もうひとつの通信ウィンドウが開く。

『ちょっと割り込んでいいですか?』

そこにはヒルベルトの顔が
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