3部分:3:邂逅…そして、会話?
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ていた心がゆっくりと落ち着き…
「そういや、耳がとかいってたな…」
手を伸ばして、木材を軽く放るように動かす…微かながら、葉のざわめきとは違う、木材が空を切る音。
「木材が、動く時にする音、か……それだけじゃないな、ロープからも少し音がする、ふむ」
暫くしてようやく立ち上がり
「もいっちょー!」
がつんと、木材を殴りつける…『弾き』はせず、目で見て、音を聞いて『捌く』…死角の木材も、音を聞き、振り向いて…受け止める、『弾く』暇がない。
だけど、受けられはする、目と耳をできる限り動かす…目で見て音を聞いてできる限り『捌く』、間に合わないものは受ける…何度も繰り返し、
等々死角から気付き切れなかった木材に頭をうたれる。
「ってぇー…でも、いままでで一番長くできたな」
うずくまりながらも満足そうに呟く…
「耳、か…音も大事、ってことかぁ…はぁ」
少女…ヴィータ…の言っていたのはこれなのか、と…納得半分、納得できない部分半分で、溜息が出る。
「でも…一歩すすんだんだな、なら、礼はしないとな」
微苦笑のなか、良彦は呟いていた
「ヴィータ、だっけ…翠屋のシュークリーム辺りで喜ぶかな」
「ったくなんだってのあのガキは、生意気なっ」
「(あの少年も、上手く行かなくて気が立っていたんだろう、落ち着けヴィータ、騎士たるもの常に冷静にな)」
「判ってんだよ、でも、あの良彦とかいうのは、なんか…こう、なぁ」
「(…ふむ、しかし珍しいな)」
「あ、何がだ?」
「(お前が一度で名前を覚えるのが、な)」
「はぁ、あたしはそんなに頭わるくねーぞ?」
「(いや、此方の人の名前は覚えづらいと以前いっていたきがするが?)」
「偶々だろ、偶々」
「(それに、怒っているのにアドバイスをするというのも珍しい)」
「あ、あれは、あの馬鹿が、これ以上馬鹿にならねー用にだよっ」
「(………そうか、しかし)」
「しかし、なんだよ?」
「(お前があれだけ初対面の相手と会話するのも珍しいと思ってな)」
「なんか、あたしの事どう思ってるかききたいんだけどな、ザフィーラ」
「(ふっ、さてな…ともあれ、急がないと夕食に間に合わんぞ)」
「そりゃやべぇ、急ぐぞザフィーラ、ギガうまな料理が待ってる」
大型犬…ザフィーラ…と少女…ヴィータ…が掛ける、これもまたこの町の新しい日常の一ページ。
「(…しっかし、なんであいつの目見た瞬間、なんか変な感じしたんだ、初めてあったはずなのに)」
ヴィータの思いは誰にも伝わる事無く、心の内へしまわれていった。
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