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ネギまとガンツと俺
第21話「試練―其のA」
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エヴァンジェリン。

「お願いします、タケルさん」
「……ああ」
「では、始めるがいい!」

 テストが始まった。




 唯一、気に入らないものがあった。




 この世界では魔法も気も、誰もが持つことの出来る力だ。魔法は一部にしか伝えられないが、気に関しては鍛えている人間ならば独学で身につけることすら可能らしい。 

 この世界で一般人にすら使える「気」は、それでも確実にタケルの知る「気」と大きな違いを見せている。ここの「気」は、それこそ魔法のようにバカみたいな力となりうるが、もといた世界の「気」はあくまでも技や業の一環でしかない。

 つまり、端的に言ってしまえば、もといた世界とこの世界の最も大きな違いは魔法ではない。

 この世界でも魔法を知らない人間は結局は使えないからだ。よって、この世界の一般人ですら使えるという「気」の存在が最も大きな違いと言ってもいいのかもしれない。

 ほとんど全ての存在は長い時間をかけてその世界に適した形へと姿を変えていく。生物然り、人間が持つ技術然り。

 魔法を使えば、気を用いれば。

 彼等は裸一貫で超兵器すら越える戦闘力を身につけることができたのだ。

 対して、タケルたちの世界で許された戦闘力は唯一つ。

 そう、許されたものは唯一つ。

 当然、彼等も持っているソレ。

 つまり、肉体。

 強靭なソレ。しなやかなソレ。どれほどの才を秘めようと、どれほどの修練を積もうと、決して越えることのできない頂が存在する単なるソレ。

 己が武器に恵まれた世界と恵まれなかった世界。その中で共通する武器の一つ。武術。

 どちらでも同じように育まれてきたはずの、裸の人間が持ちうる最後兵器、武術。だが、与えられた素材が違っていた。

 一方はあらゆる可能性を与えられてきた。もう一方は何もなかった。

 楽園でぬくぬくと育てられた最終兵器と極寒で育った最終兵器。

 そんな、大きな違い。

 だから、だろうか。

 目の前で繰り広げられる武術は。

 この世界で広がっている武術はあまりにも――

 ――違っている。




 苛立ちが募り始めていた。

 ――そうだ。

 タケルが唯一この世界で認めたくない存在があった。

『お前のカンフーもどきでタケルに一撃でも入れれば合格。手も足も出ずに貴様がくたばればそれまでだ』

 先ほどのエヴァンジェリンの言葉でそれを思い出した。

 子供の頃、誰もが憧れる強さ。タケルとて例外ではない。だが、その夢はすぐに潰えた。

 夢に向かって半年がたった。彼は死んでガンツのミッションに呼ばれるようになった。

 繰り返すが、タケルが武道という名
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