A's編
第三十一話 裏 中 (なのは)
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ートが『Danger!』と警告を発し、直後に自動で防御魔法≪プロテクション≫が展開されたのは。なのははレイジングハートが急な警告に驚き、同時に行動していた。翔太をかばうように、自分の身体を盾にするように抱きかかえた。
直後、聞こえたのはたった一言だけだった。とある魔導書の終わりの始まりを告げる最初の一言だった。
「闇に、染まれ」
その声の持ち主を中心として闇の雷撃が球状に広がっていく。幸いにしてレイジングハートが自動で展開した防御魔法が間に合ったためなのはと翔太の周囲には被害は全くなかったが、代わりになのはが睨みつけていたクロノはその攻撃に乗じて逃げられてしまった。
闇の雷撃が完全になくなったことを確認したなのはは、胸の中で何事もなかったように呼吸をする翔太に安心して、それからきっ、と鋭い視線で廃ビルの屋上のさらに上に浮かんでいる存在を確認した。
それは、白い髪に黒い衣装に身を包む女性だった。その衣装がクロノを髣髴させ、先ほどのクロノの態度といい、女性の攻撃といいなのはを苛立たせる。こいつらは一体、なんど翔太を危険な目に合わせれば気が済むのか、と。
対して女性もなのはを見ていた。涙を流す瞳で、すべてを憐れむような表情で。
ぐっ、と彼女は涙を本を持っていない右手で拭うとつぶやくように口を開く。
「破壊しましょう。すべてを。主を見捨てたこの優しくない世界を。すべてが主の望みのままに―――」
ばさっ、と背中の翼を広げる。明らかな攻撃体勢。そして、その視線の向こう側には、翔太を護るように傍らに膝をつくなのはの姿があった。
『Master! Her target is you and Syou!』
「っ! ディバインバスターっ!」
なのはは彼女の正体など知らない。だが、それでも狙われているのが翔太と自分であることがわかれば手加減などしない。できるはずもない。すぐさま反応して、今にもこちらに向かってきそうな彼女に照準を合わせて自らが得意としている砲撃魔法をためなしに放った。直後にレイジングハートの先から放出されるのは漫画の中でしか出てこなさそうな桃色の一直線の光だった。
その砲撃魔法に込められた魔力はノータイムで放たれた魔法にしては規格外だ。通常の魔導師が放ったとしてもその威力を出すことは難しいだろう。だが、その砲撃で狙われた黒い彼女は、回避行動も見せずにただ一言つぶやいた。
「盾」
『Panzerschild』
彼女の呟きに彼女の持つ書物が応える。それは黒い円形の防御魔法。なのはの砲撃魔法は、通常の防御魔法で耐えられるほど軟なものではない。しかしながら、彼女もまた通常の魔導師であるはずもなかった。
なのはの放った砲撃魔法は、彼女が展開した防御魔法
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