Introduction
第十五話 学園最凶
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彼女の言葉はあまりにも衝撃的だった。今まで考えたこともないが、確かに僕は何度か倒れたりしているし、体調が悪くなったりしてきた。楯無さんと戦ったあと、ダリルさんと戦ったあと、そして今回は明らかに異常だ。実はそれ以外にも何度か具合が悪くなったことがあるのけど、クラス対抗戦や授業で実習があったときだったような気がする。僕自身は意識していなかったけど、楯無さんは気づいていたのだろうか。
「原因はわからないみたいだけど、あなたのお姉さんも同じように原因不明で倒れたのでしょう? あまり考えたくないけど無関係だとは思えないの。遺伝的なものか……もしくは月読、彼女も使っていたというあなたの専用機が関係あるんじゃないかしら」
考えたこともなかった……けど確かに不自然な点が多すぎる。でも、詳しくは話を聞いたことがなかったけど紫音が倒れた原因も不明だったはずだ。医学的にわからないなら……月読に何かしら原因がある可能性も捨てきれない。このままいけば僕も……死……。
「紫苑君!」
「……え?」
「ごめんなさい、病み上がりのあなたに言うことじゃなかったわね。ただ、お姉さんの場合、ドイツで入院していたのよね? ドイツは遺伝子治療だとかなり進んでいるけど、それで原因がわからないとなると、やっぱり月読に何かしらあると思っていいんじゃないかしら。どちらにしろしばらく修理に出すのでしょう? その際に一度開発元にに顔を出してそこんとこ追及してみなさい。それにISを使用しなければ今まで別に何もなかったんだし、今のところそこまで心配することは無いんじゃないかしら」
そうだ、普段は別になにか異常があるわけじゃない。なら楯無さんの言う通り一度STCに行き、いろいろ調べてみるべきかもしれない。
「……いろいろありがとう。今までお世話になりっぱなしで……でも僕はまだ何もお返しできてないよね」
「べ、別にいいのよ、私が好きでやってるんだから」
「それでも……」
本来、お互いが支え合うギブアンドテイクの関係だったはずなのに、僕は楯無さんに対して何も与えられていない。今後も力になれることがあるのだろうか。先ほどの話のこともあり、僕は暗鬱としたネガティブ思考に囚われてしまう。
「あ〜、もう。そんに辛気臭い顔しないの。そんなに言うなら……そうね。今度、買い物に付き合って頂戴」
「え、そんなこと……別にいつでもいいのに」
「あら? そんなこと言っていいのかしら? 付き合ってもらうのは……水着よ?」
「……は?」
「だ、か、ら。もうすぐ臨海学校があるでしょ? せっかくだから、新しい水着を紫苑君が選んで、ね」
「……えええぇ!?」
狙ってやったのかはわからないが、先ほどまでの鬱屈とした感情は消し飛んだ。
……引換として別の悩みがやってきたのは言
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