Introduction
第十五話 学園最凶
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のようだが。
ちなみにしばらく後、ダリルから会長の性癖……自身も焔に言い寄られて困っているという話を聞き頭を悩ませることになるのは別の話。
◇
か、勝てた……。もう二度と橘さんとはやりたくない。本当に殺されるかと思った……。
「西園寺、話がある」
橘さんとの試合が終わり、戻った僕は千冬さんに呼び止められる。
本来であれば、しばらくの休憩の後に楯無さんとの決勝があるはず。でも僕は千冬さんがこれから話すだろうことをなんとなく察していた。
「お前の月読だが、損傷が激しくこれ以上の試合参加は認められない。……残念だが諦めろ」
「そう……ですか」
わかってはいた。試合終了時の月読の状態は、修復に何日もかかるような状態だった。その上ネームレスも完全に破損した状態。このまま次の試合に臨んだとしても勝ち目はないに等しい。……それでも、戦えるなら楯無さんと戦いたかった。
「これが最後という訳ではあるまい。お前たちはまだ一年だ。機会はいくらでもある。ここで無理をしたら命に関わるぞ」
「はい……」
とはいえ、学園側に止められては強行できない。なにより、自分自身で限界がきているのを理解していた。
こうして、僕はまたしても楯無さんと戦う機会を逃し、トーナメントは楯無さんの優勝となる。
そして僕は……その夜、いつの間にか意識を失っていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……ん、ここ……は」
目が覚めるとそこは見慣れた天井、自分の部屋だった。まだ頭がグラグラする中なにがあったのか思い出そうとするけど、トーナメントの夜までしか記憶がない。
「あ、目が覚めたわね……」
急に声を掛けられたことに驚きつつも振り返ると、そこには楯無さんがいる。しかし、その表情はどこか浮かない。
「あ……おはようございます?」
「ずいぶん遅いお目覚めね。もう丸一日経ってるわよ」
その後、楯無さんはトーナメント後のことを話してくれた。
僕と楯無さん達がトーナメント終了後に話をしていたら、どこか顔色が悪く、それを指摘された僕は少し休もうと部屋に戻ろうとした途中で倒れたらしい。そのまま保険医に診てもらったものの、特に体の異常は見られなかったことから千冬さんの許可をとって楯無さんが部屋に連れてきてくれて看病してくれたようだ。
「あのまま保健室に置いておいたら正体バレるかもしれなかったからね」
また楯無さんのお世話になってしまったようだ。そのことにお礼を言いつつ心配かけてしまったことを謝罪するが、まだ楯無さんの表情は暗い。
「紫苑君、あなた気づいてる? 今までも何度か倒れたり具合が悪くなったりしてるけど……どれもISを動かした後なのよ?」
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