Introduction
第十五話 学園最凶
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重要なのはそこではない、ISの台頭と女尊男卑の風潮だ。まず、橘家は今後のISの将来性に目をつけ、焔にIS関連の訓練を追加する。しかしながら開発者である篠ノ之束が一定数のコアのみしか開発を行わなかったことから、実際の操縦訓練の機会を設けるのは橘家の力をもってしても苦労することになる。次善の策として、普段の訓練はIS戦を想定した技術の修得になるのだが、その一環が橘流のISへの適用だった。
ここで一つ問題が起こる。世の中が女尊男卑へとシフトする中で長男の立場が徐々に悪化する。もっとも、橘家としてはもはや彼を当主にする以外の選択肢はない。なぜなら、世間から隔絶され続けた焔は表に出るのは難しい状況だからだ。それを把握できなかった長男は被害妄想に囚われ、姉である焔の暗殺を企てる。それは実行に移されたのだが、もはや戦闘に関しては桁外れの力を身に着けていた焔によって迎撃され、長男自身も命を落とすことになった。
この時点ですでに焔は、度々家の都合に振り回されたこと、世間と隔絶された暮らしをしてきたこと、当たり前のように人を殺してきたことで歪んでいた。そしてそれは、実の弟をただ無感情にその手にかけることで決定的となった。
これに困ったのが彼女の父親でもある橘家現当主だ。今の状況は後継者がいなくなったことと同義である。どうしようもなくなった彼は、焔へ当主としての再教育を決定する。しかし、ある意味壊れている彼女をすぐに世間に出すのは躊躇われた。そこで、しばらく橘家内で教育を行い、その後IS学園へ入学させることにした。学園の特殊性とIS技術の修得、そして表の世界へ慣れることが出来るという、いろいろと都合がいい状態なのだ。
焔は、同学年に専用機持ちがいなかったこともあり好成績で入学を果たす。稼働時間の少なさから、当初こそ各国代表候補生に後れを取っていたがやがてその才を如何なく発揮し学年首位となる。
一方でその学園生活はお世辞にもまっとうとは言えない。本人にその気がなかったことはあるが、友人も少なくその言動からよく問題が起きた。二年の折、当時の生徒会長にその素行を注意された際に模擬戦に流れ込み、当時専用機を持っていた会長になんと訓練機で勝利する。その圧倒的な技量と、橘家の当主候補として生まれた故か、彼女の持つある種のカリスマ性に惹かれた者が集まり、生徒会が発足する。
壊れてはいても、かつては帝王学を学んだ身。会長として実行した仕事内容は問題なかった。問題なのは、やり方だ。気に入らない者、反発する者は徹底的に排除する恐怖政治。もともと女子校でもあるIS学園には、あまり過激な生徒はいないが皆無という訳ではない。そういったものに対して彼女は苛烈だったのだ。ちなみに、その反発をもった者の中にダリルも含まれている。もっとも、直接戦う機会はなかったのだが彼女に関して
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