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東方攻勢録
第五話
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「……なにかいます」


メディスンは、弾幕の中にゆらゆらと動く何かを発見していた。物体が確実に見えていたわけではないが、半透明の物体が、何かゆらゆらと揺れているのが見えていた。

俊司も、メディスンに言われてその物体に気付いていた。確かに、物体はないがなにかゆらゆらと動いている。そして、どこかで見たような軌道をしていた。

それに、確実に紫達にむかっていくのが見えていた。


「もしかして……影丸!?」


影丸というのは、俊司が紫達と共に再思の道にあった革命軍の基地に向かったとき、相手の主力として現れたアンドロイドだ。忍者の戦闘スタイルをベースとし、相手を翻弄させながら攻撃してくる。それに、姿が常時見えないため、俊司達もかなり苦戦を強いられていた。

しかも、現在その影丸が何体も、弾幕の間をぬって紫達に向かっている。接近されれば、劣勢になるのは目に見えていた。


「ま……まずい!」


俊司が茂みから身を乗り出した瞬間、影丸の一体が紫に攻撃を繰り出す。紫は何とかそれに気づいて、カウンターを入れていたが。さすがに一気に間合いをつめれそうにはない。

すると、霊夢は三人を下げて、弾幕を防ごうと結界を張ろうとし始めていた。


「くっ……あれは……」

「だめだ霊夢!」


俊司はそう叫ぶが、機械から発せられる音と、弾幕の着弾音のせいで届きそうにない。

彼らの願いもむなしく、霊夢は結界を展開させて時間を作ろうとする。しかし、手錠のせいもあってか、結界が安定した様子はなかった。

弾幕を大量に受け、さらには数体の影丸から攻撃。拘束され少なくなった力はすぐに消費されていく。結界も波打ち始め、効力を下げていく。


「くそっ……!!」


俊司はフードをかぶりこむと、茂みから飛び出し弾幕の中へと入っていった。


「おい俊司!?」

「いいです小町。行かせてあげましょう」

「ですが映姫様!」

「今まで我慢させたんです。行かせてあげましょう」


映姫は、まっすぐ走っていく彼を見ながらそう言っていた。


(くそっ……間に合え……間に合え!)


茂みから霊夢達までの距離は結構あり、走ってもかなり時間がかかる。

そうこうしていると、霊夢は体力がつきかけたのか、フラフラになりながら結界をとき始める。


(だめだ……間に合わない!)


霊夢はその場でふらつき、大きなスキを作ってしまう。戦闘用のアンドロイドである影丸が、そのスキを見逃すわけがなかった。

一体の影丸が小刀を持つを伸ばし、霊夢の腹部を切ろうとする。紫が手を伸ばしているが、とても間に合いそうにない。

もはや、なすすべがなかった


(くそっ! く
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