金字塔のデストロイヤー
第14話
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いないからです。それからアーシアさんを最初に魔女と糾弾した神父は現在バチカンの地下に収容されている事も知らないのでしょう?ミカエル様達はアーシアさんの行動にあまり肯定的ではないにしても否定的ではないのですよ」
「だが」
「汝、汝が隣人を愛せ。アーシアさんはこの言葉に従っているだけです。主は隣人が誰とは差しておられません。アーシアさんにとっての隣人と、ゼノヴィアさん達の隣人が異なるのは、人として当然でしょう」
「でも、それで悪魔を治療しても良いというわけじゃないでしょう!!悪魔や堕天使は人間にとって害悪なんだから!!」
「では何故主は悪魔達を滅ぼしていないのですか?そして悪魔達を滅ぼせと言葉を残していないのですか?」
「そ、それは」
「主にとって悪魔達も隣人であったのではないのでしょうか?主は悪魔も堕天使も人間も必要とあらば殺しています。ですが、滅ぼしたりはしていません。そこに主の考えがあるのでしょう。その考えを汲むのが我々信徒の使命では無いのでしょうか?」
「でも、皆が言っているし」
「ではなぜ悪魔や堕天使を殲滅していたフリード・セルゼンが追放されるのです?」
「えっと、それはほら……ゼノヴィアも何か言ってよ」
「う、うむ、奴は、ほら、残虐でだな」
「残虐で自己的で手の付けられない様な男ですが、人を殺す際には明確な線引きを持っている男です。悪魔に利用されているなら殺さず、悪魔を利用しているなら殺し、悪魔であることを知らずに傍に居るのなら無視し、悪魔であることを知った上で共に居るなら諭し、それでも共に在るのなら悪魔と共に殺す。堕天使も同様です。あの男は自分の様な人間を一人でも救う為に力を求め、そして狂った。狂いながらも自分の中の殺しの線引きだけは守り続けている、十分に尊敬に値する男ですよ」
「だが、主への祈りを忘れた」
「自らを犠牲にしてまでも人を救おうとする者が祈りを忘れた位で主は御怒りになるのですか?聖書には一言もそのような事は書かれていませんよ」
その後も反論しようとする二人を諭し続けたのですが、少々やりすぎました。二人とも端の方で膝を抱えて何やらぶつぶつと言っています。
「あっ、アーシアさん。しばらくの間、僕とルゥもこちらでお世話になっても大丈夫でしょうか?ミカエル様達の命令で二人を鍛え上げたり、聖剣の奪還を行わなければならないので」
「あっ、はい。大丈夫です。一応、十人程度は泊まれる準備をしていましたから。それよりもお二人は大丈夫ですか?」
「アレ位で完全に折れるなら聖剣を任せられたりしないでしょう。今日の所は休ませてあげれば復帰するでしょう。では荷物の準備がありますので、明日の朝に」
「はい。分かりました」
教会を後にして自宅に戻って戦
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