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虹との約束
第一部
第二章
約束しよう
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まった。彼女は、ようやく口を開いた。
「祐二、私ね…私…」
口ごもってしまっていた。
「うん。」
祐二は応じる。真里が一途な目で祐二を見ていた。
「私、引っ越すことになったの。それで…」
事の全貌を、真里は話した。一度話し出すと、全てを話すことができた。涙が出ることも、声が掠れることも、苦しくなって行き詰まることもあったが、全て話した。
 祐二は健気にそれを聞いていた。祐二も同じくして涙と悪戦苦闘していた。彼女の前で泣いてしまったら、自分の数倍は苦しませることになると、自分でもわかっていた。
「わかったよ。真里。もう何も言わなくていいよ。だから泣かないで。ね?僕たちはずっと、一緒なんだから。」
彼女の涙を拭いて、そっと髪を撫でた。少しずつ彼女は落ち着いていった。そうすると不思議と、祐二も平静になった。
 だいぶ落ち着くと、祐二は彼女にそっとささやいた。
「でも、一つだけ約束して欲しいんだ。それはね…」
祐二が言った契りは簡単で、けれど恐ろしく難しいものだった。
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