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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第6-M話 刹那
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が、いや良くない点と見逃せない点があったな」
「…ロアナプラとミードかな。タイで暮らしてた、甘い物が好き、位にした方が良いか?」
「うん、気付いてくれて嬉しい。さもなくば、ぶん殴りたくなっただろうからな」
マナが拳を握りながら言う。

「あの、ろあなぷらは地名の様ですが、そんなに問題なのですか?
あと、ミードとはどの様な食べ物なのでしょう?」
桜咲がおずおずと質問する

「ああ…私がいた街、ロアナプラは…まあ、簡単に言えばものすごく治安の悪い場所だよ」
警察までグルで、もはや外部からは実情を知ることすらできない程に…
まあ、私達住民に言わせれば絶妙なバランスで秩序は保たれているのだが。

「なるほど、確かに言わない方が良いですね。それでミードとは?」
「ん…まあ蜂蜜から作ったヨーロッパの飲み物だよ」
「…それが好きな事がなぜ問題なのでしょうか」
桜咲が不思議そうな顔をする。

「まあ…その…」
この真面目そうなルームメイトにばらすと十中八九めんどくさい事になるが…
誤魔化したところで、後でよりめんどくさい事になるのが目に見えてるので言うしかないか。

「ミードは蜂蜜を発酵させて作った酒の事だ、ハニーワインとも言う」
「お酒が好きって…確かに未成年が公言して良いことじゃないですね」

…あれ、未成年が飲酒なんてとんでもないと怒るかと思ったんだが。

「こちらでは本当に必要な場合を除いて避けて下さいね、魔法様式や宗教の儀式ですら噛みつかれると聞いていますので」

…そういやキリスト教系の魔法にパンとワインを使う儀式魔法があるらしいな、私のは純然たる嗜好品だが。

「…桜咲の使う術式に含まれるのか?」
「まあ、まて。そこまで話すなら先に裏向きの自己紹介だ」
マナが割って入る。

「龍宮真名だ、マナ・アルカナとも名乗っている。
私自身は無所属だが、主従契約の主人兼保護者が四音階の組み鈴に所属している。
職業は…傭兵と言うべきかな。
主人の活動の手伝いや討伐依頼をこなしたり、繋がりのある組織の作戦に金で雇われたりしていた。
節度を守りつつ、報酬次第で退魔の仕事も受けていこうと思っている。
後は…銃器を使用した戦闘全般が得意だな。
ナイフも扱えるが…本職の剣士やナイフ使い相手には分が悪いかな、以上だ」
…まあ、ナイフを使うところまで追い込めれば、な。
マナは瞬動術を用いた機動射撃戦闘を基本としているので、持ち換えはあるにせよ、あらゆる距離で銃器を用いるのが基本だ。

「京都神鳴流剣士、桜咲刹那です。
所属は関西呪術協会で、退魔師をしながら修行をしていました。
此度はお嬢様の護衛として派遣されました。お嬢様の敵には容赦しませんのでご理解を」
…神鳴流、たしか通常の射撃、投擲武器
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