第十章 イーヴァルディの勇者
第六話 曝される正体
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堂々とした態度で裸身を露わにしていた。おかげでギーシュとマリコルヌの二人は一時の驚愕から覚めると、腕を組み、何やら研究者のような目つきになりながらシルフィードの胸を注視し、時に互いに顔を見合わせ何やらうんうんと頷き合い、最後には笑って握手を交わしていた。
そんな二人の尻にルイズがハイキックをぶちかましているのを横目にしながら、士郎がシルフィードを見る目つきを強めると、シルフィードは不思議そうな顔をしながらも、動物的直感により断っては危険と判断し、もぞもぞとシーツを身体に巻きつけ始めた。
「ああ、そんなやり方じゃ駄目さね」
とは言ってもただのシーツで身体を綺麗に隠すにはそれなりの着方というものがあるため、服を着ることに慣れていないシルフィードにはシーツ一枚で身体を隠すように着るのは難易度が高かったようで、何度も試すが巻きつけた後は何処かが露出していた。それに見たロングビルが、ルイズとキュルケに目配せをしながら前に出ると、シルフィードからシーツを剥ぎ取った。ロングビルから目配せを受けたルイズとキュルケは、男性陣に駆け寄ると強制的に後ろに向かせる。それを横目で確認しながらロングビルは、シルフィードにシーツを巻きつけ始める。その際、ロングビルは時折その身体を触りながら感心したような声で頷く。
「しかし『先住魔法』ってのも凄いもんだね。あんなに大きな竜の身体が、人間大の大きさになるなんて。ふ〜ん……身体を触っても違和感もない……確かにこれはメイジには無理な芸当だね」
ロングビルの声に、床に転がる男性陣の前に立つ女性陣が「へぇ〜」と感心した声を上げると、得意げに鼻を反らしながらシルフィードが「きゅきゅい」と鳴いた。
人間に変身したシルフィードから、直接事情が聞けるようになったはいいが、事態は直ぐには動くことはなかった。
直接話が聞けるようになったはいいが、シルフィードも詳しいことを余り知っていなかったためだ。
エルフがどうやってスクウェア・クラスになったタバサを倒したかについても、シルフィードもどうやって倒したか分からないと言う。聞けば、タバサは自身が放った魔法によってやられたのだと言う。タバサが放った強大な雪の嵐の魔法は、エルフの当たるその直前で突然反転し、そのままタバサを襲ったそうだ。
肝心の何処に連れ去られたかについても、タバサがやられたのを見て逆上し、エルフに襲いかかったシルフィードだが、あっけなくやられたため、何処に連れ去られたかは全く分からないと言う。
結局のところ、エルフがどのような魔法を使うかも、タバサが何処に連れされたのかも全く分からないことに、士郎たちは難しい顔をする。
そんな周りの様子に、説明を終えた当初は胸を反らし自信満々の様子を見せたシルフィードの顔
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