暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十七話:受け継ぐ剣と想い
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
くても、俺はお前を守るけど。今、お前を守れないパパスさんの分も、俺はお前を守りたい。パパスさんの剣でお前を守れれば、俺を気にかけて助けに来てくれたパパスさんも、少しは浮かばれるような気がするから」
「……」
……私は、パパンにも、ヘンリーにも。
そんなに気にかけてもらう価値のある人間ではないけど。
でも、私が実際どんな人間であるかと、周りの人がどう思ってくれてるかとは、別のことだから。
だからきっと、パパンならそうなんだろう。
「だから、お前が嫌じゃないんなら。その剣で、俺にお前を、守らせてくれ」
「……嫌じゃ、ない」
だけど、いいと答えてしまっていいのかどうかわからない。
ずっと着いて来てもらおうなんて、思ってないのに。
本当は、もっと前に別れてるはずだったのに。
「……前にも、言ったが。いる間だけでいいから。その間だけ、俺にその剣を預けてくれないか」
要
(
い
)
る間だけ。
私がヘンリーを必要とする間だけ、一緒に
居
(
い
)
る間だけ。
そんな言い方を、自分が使い捨てでいいみたいな言い方を、またして。
そんな扱いはしたくないのに、そんなのに甘えたらいけないのに。
「……わかった。私が無理矢理使うより、きっとその方がいいし。……大事に、使ってね」
なのに、もっともらしい理由を見付けて。
甘やかしてくれるのをいいことに、甘えてしまう。
こうなるってわかってたから、逃げたのに。
こんなことすればするだけ、後で辛くなるだけなのに。
微笑んで鞘ごと剣を差し出す私に、ヘンリーも嬉しそうに微笑み返して受け取ります。
「ああ。大事にする。絶対に、使いこなしてみせる」
「うん。ヘンリーなら、できるよ」
十年鍛えるうちに技術は私と大差無くなってたし、レベルはともかく
力
(
ちから
)
のステータスはきっともう私よりも高いし、私と違って男だから手も大きいし。
きっと私にはできないことを、この先もどんどんできるようになっていくんだ。
……私が、男だったら。
きっと今、ヘンリーはここにはいなくて、私の手も大きくて、このままでもこの剣を使いこなすことができていて。
こんな風に、自分のズルさと向き合うこともなかったのかな。
微笑みを顔に張り付けたままでなんとなく下を向くと、足元に影が差して。
それでも顔を上げずに俯いたままでいると、歩み寄っていたヘンリーに抱き締められます。
「……ドーラ。お前が出来ないことは、全部俺が出来るようになるから。お前は絶対、俺が守るから。だから」
「……大丈夫。遅くなるから、もう行こう」
慰めるように囁いてくるヘンリーの言葉を途中で遮って、胸を押し返して抱き締めてくる腕の中から逃れます。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ