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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第十四話 殺意
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合を見たけどやはり機体の差が大きかった印象だ。とはいえ、実力的にもダリルさんが圧倒しており、たとえ同じ機体で戦ったとしてもダリルさんの勝ちは揺るがなかったと思う。
 それを僕に置き換えてみると、やはり接近できるかが肝になる。接近さえしてしまえば負ける気はしないけど、逆を言えば近づけなければ苦戦はあり得る。訓練の成果を試すいい機会ではあるのしどちらにしろ僕には近づくしか手段はないので、まずは実力を出し切ることを考えることにした。



 小一時間ほど経つと、どうやら一、二回戦が終わったようだ。試合の開始や終了等のアナウンスは控室まで聞こえてくるため状況はこちらでもある程度掴める。下馬評通り勝ったのは楯無さんとダリルさん。楯無さんは圧勝だったとのこと。そして、意外……と言ったらフォルテさんに失礼かもしれないけど、実力的にはダリルさんが優勢だと思われたこの試合は割と接戦だったようだ。どうやらフォルテさんは最近ダリルさんの戦い方を研究していたようで、自分の戦法にもそれを取り入れつつ動きも把握できていたことが実力差を埋めて均衡したんだと思われる。

『続いて第三回戦、西園寺紫音VSミリア・フォルティアが始まります。両名は準備をお願いします』

 教師によるアナウンスが控室にも聞こえてくる。
 僕は終わった試合について考えるのをやめ、目の前に集中する。相手は訓練機とはいえ上級生だ。慢心してかかっていい相手ではない。



 しかし、そんな僕の決意をよそに結果としては無傷での勝利となった。
 開始直後からの全開のブーストに相手が対応できず、背後に回り込みつつネームレスでの一閃。一撃とはいかなかったものの、訓練の成果が現れた一太刀は威力が上がっており、返しの二の太刀で決着する。
 完璧には遠いものの、確かな手ごたえを感じた僕はそれを噛みしめつつ、直に訪れるであろう未知の相手との試合に思いを馳せた。

 その後も順当に試合は進み、第四回戦は橘さんが勝ち、準決勝第一回戦は楯無さんが勝った。そして今は僕の試合、目の前には橘さんがいる。
 使用ISは打鉄、日本が誇る量産型のISで防御には定評がある。汎用性の高さもラファール・リヴァイヴには劣るものの高い水準だ。しかし、それを全て捨てて橘さんは刀剣型の近距離武器のみを使用しているという。
 今、彼女はその一本の刀を腰に携えアリーナの地面に立っている。ISでの戦闘のセオリーから何もかも外れている。通常は動きやすいように試合開始前には既に空中で待機していることが多い。また、当然武装も展開した状態だったりするのだけど、彼女はその刀剣を鞘に納めた状態だ。そもそも、量子変換で自由に出し入れできるのだから鞘は必要ないはず。 
 試合開始直前にも関わらずあれこれ考えていたら突然プライベート・チャネルで橘さん
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