Introduction
第十四話 殺意
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
気になる物言いだけど、理由があるらしい。どちらにしろトーナメントになれば試合で戦うことになるかはともかく、会うことはあるだろう。見せてもらった試合の映像も、楯無さんの言葉通りの展開で分かったことは少ない。映像からでは楯無さんの言う異様な雰囲気というものは感じ取れなかった。
そして、もし彼女と戦う場合は千冬さんも認め、楯無さんが恐れた彼女との近接戦を行わなければいけない。時間はないけど、千冬さんにせっかく教えてもらったことを少しでも自分のものにしよう。
そう決意した僕は、朝と放課後の時間を使って訓練に明け暮れた。何度か千冬さんにも稽古をつけてもらったものの、結局試合形式では一本も取ることができなかった。あの人は半分人間やめているのではないだろうか。
トーナメント当日、学園は前回の学年別の時をさらに超える熱気に包まれている。各学年の上位者のみが出るのだから当然ではあるのだけど、前回この場に立てなかった僕としてはやはり緊張する。出来る限りのことはやってきたつもりなので、あとは実力を出し切るだけだ。
そして、トーナメントの組み合わせが発表される。
第一回戦
更識楯無(一年優勝者 ロシア代表 専用機『ミステリアス・レイディ』)
VS
ニキータ・ガルシア・オルテガ(三年準優勝者 スペイン代表候補生)
第二回戦
フォルテ・サファイア(一年準優勝者 イタリア代表候補生 専用機『コールド・ブラッド』)
VS
ダリル・ケイシー(二年優勝者 アメリカ代表候補生 専用機『ヘル・ハウンドVer2.5』)
第三回戦
西園寺紫音(一年 推薦枠 専用機『月読』)
VS
ミリア・フォルティア(二年準優勝者 カナダ代表候補生)
第四回戦
橘焔(三年優勝者)
VS
カレン・クリステル(三年 推薦枠 オランダ代表候補生)
僕と前会長の橘さん以外は代表候補生というメンバー。楯無さんに至っては言うまでもなく国家代表。幸い専用機持ちは別ブロックになったわけだけど、逆を言えば楯無さん達と戦うには決勝までいくしかない。そして、そのためには……上級生であるフォルティアさん、そして未だ実力が計れない橘さんに勝たなければいけない。
開会式の最中に、ふと橘さんのいる方に目を向ける。やはり、直接見るのは初めてだったが長い黒髪が似合うまさに大和撫子といった風情だ。やや目つきがするどいものの、とても綺麗な女性だった。
試合前に選手同士が会話するのは褒められたものではないので、僕らは特に会話もなくそれぞえの控室に戻る。やはり今回も、参加選手は他の選手の試合を見ることはできないようだ。
一人の室内で、僕は目の前の試合について考える。フォルティアさんの機体はラファール・リヴァイヴ。ダリルさんとの決勝での試
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ