Introduction
第十四話 殺意
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
った。シールドバリアーを切り裂き、エネルギーに直接ダメージを与える彼女の一太刀は、まさに必殺の一撃だった。
「うん、おかげで何か掴んだ気がする。使いこなすまではまだ遠いけど、必ずものにしてみせる」
「ああ、お前の場合は私と違って他の武装も使える可能性もあるが、仮にそうなったとしても無駄にはなるまい。それに……今度お前も戦うかもしれない三年の個人優勝者、奴は剣に限れば達人の域だ。同じ領域で戦えばお前は確実に負けるぞ」
三年の優勝者、楯無さんに敗れたとはいえ前年度まで生徒会長だった人だ。弱いわけがない。でもよくよく考えたら接点がなく、彼女のことは良く知らない。剣を使う人だったのか。確か名前は……
「橘焔さん、ですか」
「ああ、専用機は無いがその実力は当然ながら学園でトップクラスだ。更識ばかりを見ていると足元を掬われるぞ」
「わかった、ありがとう千冬さん」
後で更識さんに話を聞いてみよう。僕らのクラス代表戦の直後にやったということだから、もしかしたら映像も残っているかもしれない。
その後は試合形式ではなく、型をいくつか見せて修正してもらったところで食堂が開く時間になり終了した。
「あぁ、橘前会長ね。たぶん、彼女強いわよ」
部屋に戻ってシャワーで汗を流したあと、楯無さんも食堂に行くということで一緒に向かう。せっかくなので橘さんとの試合内容を聞いてみたのだけど、返ってきた答えはなんとも微妙なものだった。
「たぶん?」
「えぇ、彼女もあなたと一緒で近接武器しか使わないのよ。打鉄だから全く使えない訳じゃないのだけど彼女は使わなかったわ。でも、何ていうか訓練機のはずなのに纏っている雰囲気が異様でね、近づいたら危険な気がして遠距離から封殺することにしたの」
楯無さんが接近することを躊躇うなんて相当なんだろう。
「で、紫音ちゃんの時と同じようにガトリングで牽制しながら追い込もうとしたのだけどほとんど回避されたわ。正直、訓練機であそこまで動けるなんてね。とはいえ、向こうもこちらに近づけずお互い決定打に欠けてたからかなりの長期戦になったわ。結果的に、彼女の打鉄が限界を超えた稼働に耐えきれず、一瞬稼働不良を起こした隙を狙って勝負が決まったの。……正直、彼女が専用機を持ったらと思うと恐ろしいわね」
模擬戦のことを思い出したのか、やや苦い顔になる楯無さん。勝負を決めたのが相手のISの稼働不良だったというのが納得できていないのかもしれない。
でも、疑問なのはなぜそれほどの実力があるのに代表候補生ですらないのだろう。そうでなくとも、どこかしらの企業から打診があってもおかしくないはずなのに。
「あぁ、彼女が専用機をもてないのは……まぁ、会えば分かるわ」
何やら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ