Introduction
第十四話 殺意
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った。後はこちらで手配しておく。詳細は追って知らせる。また怪我して欠場などということにはなるなよ」
最後は冗談めかしてそう言うと、千冬さんは話を切り上げる。先ほどまでの鋭い気配は消え去り、教師と生徒から友人同士のそれへと変わった。そこからは主に束さんに関する苦労話でひとしきり盛り上がった後、僕は部屋へと戻った。
自室に戻ると、楯無さんの姿は無かったものの特に気にすることもなくベッドに横になった。そうして自然とここ数日のことを思い返す。
もう何度も考えた、亡国機業との遭遇。ISは既存の兵器とは違うのだから、いくら起動していなかったとはいえあらゆる攻撃を想定しておくべきだった。あのとき、僕はISは人型という先入観により、腕や足、そして手に持った武器といった人間の可動域での行動を無意識に想定していた。でも、あのオータムという女性が纏ったISはまさに異形そのものだった。あれは、恐らくまだ第二世代機だと思われるけども、今後第三世代機が量産されるようになればああいった特殊性の高い武装も増えてくるはずだ。なら、それを知るいい機会になったと切り替えるべきだ。
次に思い出すのは直後に現れた黒い影、何故かその姿が頭から離れない。直接戦ったわけでもないのに圧倒的な存在感を感じた。それに一瞬だけ見せたあのブースト、僕も楯無さんもまったく反応できなかった。二人がかりでも危なかったかもしれない。ああして姿を現した以上、襲撃がこれで終わりとは僕にはどうしても思えなかった。彼女……いや、僕の例もあるし容姿も声も確認できなかったから女性と断定するのは早計か。あのリラと呼ばれた人とはまたいつか会う、そんな予感がする。
そして、統一トーナメントへの出場。正直、楯無さんとの試合は当分無理だと思っていたからリベンジの機会が与えられたのは素直に嬉しい。トーナメントじゃなくてもただの模擬戦ならできたのだろうけど、こういう公式の試合はやはり別物だ。それに、組み合わせ次第ではフォルテさんやダリルさんとも戦えるし、他の上級生も気になる。亡国機業にいいようにやられた鬱憤もあったし、いい機会かもしれない。……負けてさらに鬱憤が溜まる可能性も多分にあるのだけどそこは敢えて考えない。
リラやオータム、それ以外の亡国機業の襲撃が今後もあるだろうしトーナメントもある。でもどちらにしろ今の僕では力不足が否めない。う〜ん、月読の武装解放や形態移行についても結局詳しくわからないまま行き詰っちゃったし、やっぱり現状は無手とネームレスでの戦い方を伸ばすしかないか。
しばらくIS装着時の動き方ばかり練習していたから、明日は一度基本に戻って生身での動きを見直してみよう。
そんなことを考えながらトーナメントまでの訓練方針を決め終わったころに楯無さんが戻ってくる。夕食はまだ食べてない
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