暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第2話 「魔法とロストロギア」
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まだ自力では何もできないのだろう。放っておいたら街に被害が出る恐れがある。
 自分から首を突っ込むなと言われたが、街に被害が出るということはかなり間接的になるが俺にも危険が及ぶ可能性があるということだ。叔母への言い訳は立つだろう。

「マスター、魔力のある場所は槙原動物病院だよ」
「分かった……止めないんだな?」
「うん。マスターに危ないことはしてほしくないけど、事態が分からないことにはマスターの力でどうにかできるかの判断もつかない。それに、マスターは冷たく振舞うことが多いけど根は優しいからね」

 どうせ内心では自分にあれこれ言い訳してるんでしょ? と続けたファラに、俺は返事を返すことができなかった。優しさから介入するつもりではないのだが、あれこれ自分に言い訳していた覚えはあったからだ。

「そ・れ・に、私はマスターのデバイスなんだよ。でもやってることの大半はテレビを見ることばかり。ここでやっておかないとデバイスとしての価値がなくなる気がする」
「平和で良いと思うんだがな……」
「そうだけど、デバイスとして生まれた以上はマスターの役に立ちたいって気持ちは消えないものなんです。というか、人間らしくなると余計にその思いは強くなると思うな」

 ファラは胸を張って力強く断言した。父さんが聞いていたならば、すかさずメモを取っていたかもしれない。
 ……家には父さんの残した資料があるし、叔母はデバイスに詳しい。そして俺にはファラがいる。前々から思っていたことではあるが、俺は父さんの研究を継げるんじゃないだろうか。叔母は難しいからといって詳しいところまでは教えてくれないが、今度時間があるときには詳しく聞いてみよう。

「行こう……と言いたいところだが、着替えたほうがいいよな」
「セットアップしないで行くなら着替えたほうがいいね」

 セットアップして飛んで行ったほうが早いが、今回の目的は話を聞きに行くだけだ。念話は適性があるものなら聞こえるため、魔導師ではない者でも少年の声が聞こえる。
 高町あたりは聞こえている可能性があるため、彼女の行動次第では鉢合わせもありうる。鉢合わせてしまった場合のことを考えると、普段着のほうが誤魔化しやすい。

「着替えるから少し待っててくれ」

 ★

 ファラを胸ポケットに入れ、彼女が落ちないように気を付けながら走って向かう。歩いてもいいと思うのだが、夜に子供がひとりで歩いていると面倒ごとになる恐れがある。それを考えると急いだほうがいいと判断したからだ。

「マスター、もっと揺らさないように走って」
「俺は陸上選手じゃないんだから、そういう走りを求めるな」
「むぅ……」

 頬を膨らませてこちらに抗議の目を向けるファラ。彼女の容姿は人間サイズにすれば中高生くらいのものなので
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ