暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で清楚に恋しなさい!
一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
7話 勇往邁進
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龍斗は少しだけ嘘を混ぜて話す。

「・・・・・。分かった、今のワン子にはそれも必要だろう。それに、私はどう接してやればいいか分からない。」

百代は悔しそうに拳を握り締める。

「モモ先輩は何も悪くありません。辛い決断だったはずです。あまり自分を責めないように。 それじゃあ、また二学期に」

「・・・ああ、ワン子を頼んだぞ」

  ―秘密基地―

「珍しいな、龍斗がみんなを招集するなんて」

「悪いな、急に集まってもらって。実はみんなに話があるんだ。」

急な招集だったが、みんな丁度こっちに戻ってきていたのですぐに集まってくれた。
龍斗は事情を知らない皆に今回のワンコの試合の意味や、その結果などを話した。

「・・・・まじかよ・・・。」

ガクトを始めとして京以外の全員が唖然としている。

「そんな、ワン子はずっと努力してきたじゃない!なんでダメなのさ! そうだ、みんなでモモ先輩のところにお願いしに行こうよ」

「やめろ、モロ。モモ先輩がどんな気持ちでその判断を下したと思ってるんだ。最愛の妹が自分みたいになりたくて、ずっと努力してきた夢を自分が、誰よりも受かって欲しいと願っていた自分が絶たなきゃいけない。それがどんなに辛いか、お前ならわかるだろ?」

「・・・どうしようもないのか?」

大和が静かに聞いた。

「どうしようもないかはこれから決まる。ワンコはまだ諦めていない。いや、諦めることが出来ない。どんな現実を突きつけられても、折ることのできない夢がある。その夢のために、俺はあいつに夏休みの間、修行をつけることにした。その間は一切会えない。」

「龍斗が? 川神院ですらダメだったのに?」

大和が思った疑問を口にした。

「ああ、俺に考えがあるんだ。それに俺にも諦めることなんて絶対できない目標があるからな。」

「そのことをゲンさんや、姉さんには?」

「ゲンさんにはワン子が直接行った。モモ先輩には夏休みの間は預かるとだけ言った。モモ先輩には悪いけど修行のことは言わない。妹にこれ以上辛い思いをさせたくないと止めるだろうし、何より天才のモモ先輩には今のワン子の気持ちは分かりにくいだろう。それに、驚かせたいしな」

龍斗は少しだけ悪戯っぽい笑顔を見せた。

「そんなわけで、しばらく会えないんだ。また二学期にな」

「おう、みんなを代表してこの俺が言うぜ、ワン子を頼んだぞ」

そう言ってキャップは拳を差し出した。

「任せろ」
龍斗もそれにならい拳を合わせた。


「さて、ワン子修行をはじめるぞ」

「オッス!!」

龍斗たちはまたあの滝の前にいた。

「まず、修行の内容について話す。今回、お前には新技も授けないし、身体能力をアップさせるため
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