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フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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前方に伸ばした腕を引っ込めながら二本の槍を背中で交差させて背負っている男性プレイヤーはキリトの方へと向き直った。

「ゆ、ユリウスさん!?」

サクヤが驚きの声を上げる。だが、驚いているのはサクヤだけではなく、キリト、リーファ、レコンを除いた全員がここにいるはずのない人物の登場に呆然としていた。

「おいおい、何だ、その幽霊を見たようなリアクションは」

「え、いや、だって・・・」

ユリウスと呼ばれたプレイヤーの言葉に今度は戸惑いながらもセリーヌが声を上げた。だが、忘れてはいけない。今はグランド・クエストに挑んでいて、周りは守護騎士だらけだということを。そして、守護騎士たちからすれば呆然としている妖精たちは格好の獲物でしかないことを。

「それより、いいのか?隙だらけだぞ?」

「っ!?何をしている!早く陣形を固めろ!!」

ユリウスの言葉とほぼ同時に後方にいたモーティマーが大声で指示を出す。その声に前衛のサラマンダーとシルフは我を取り戻し、急いで体勢を立て直そうとするが――守護騎士たちは目前まで迫っていた。

「あーあ、言わんこっちゃない」

かく言うユリウスの背後にも守護騎士が数体迫っているのだが、当の本人は焦る様子もなく背中に背負っている槍の一本に腕を伸ばす。だが、ユリウスが守護騎士の方を向くよりも早く、入り口付近から巨大な火の玉が飛んできた。突然のあらぬ方向からの予想外の攻撃に(ユリウスを除いた)前衛陣は驚きながら回避する。火の玉はユリウスの横を抜けると天蓋にあるゲートをふさぐ形で隙間なく埋め尽くされていた守護騎士たちの方へと飛んでいき、そのうちの一体に着弾すると火の玉が爆発した。大地を揺るがすような轟音と共に大量の火炎が守護騎士たちを無残に焼き払った。その規模・威力共にソレイユのローカルティ・エターナル・エンド以上だったが、それでも天蓋はまだ見えない。

「おーおー、相変わらず有り得ない火力してんなー」

「まぁ、それが彼女の強みだからね」

いつの間にかユリウスの隣には燃えるような紅い髪を持つ女性プレイヤーがいた。二本の刀を腰に差し、悠然としているその姿にユージーンは目を瞠り、フォルテは喜色が混じった驚きの声を上げる。

「ミレイユさん!?」

「はぁーい。久しぶりね、フォルテ、ユージーン」

「遅ぇよ」

「あなたが突っ走りすぎなのよ」

驚いている二人にのんきに手を振るミレイユだったが、ユリウスの言葉にミレイユは呆れたように言う。だが、ミレイユは守護騎士が迫っているのを感じると腰に差してある刀を抜刀する。隣ではユリウスも槍を構えている。それは二人による蹂躙劇の始まりの合図だった。

「ああ、それから・・・そこのスプリガンの少年!そこからさっさとどいたほうがいいぞ!エ
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