第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
3話 Malfoy family.「マルフォイ親子」
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制服を購入し終えたグレン達は、店の外でルシウスとモラルドが隣の店から出てくるのを待った。しばらくして隣の店から出てきたモラルドは、どこか暗い雰囲気であるとグレンは感じた。
「では、我々はこれで失礼しよう」
ルシウスが意味ありげにグレンとモラルドを見てから言った。それを聞いたドラコが慌ててルシウスに抗議した。
「父上!グレンともう少し店を一緒に見て廻っても良いのではないですか?」
「レイモンド氏はお忙しいのだよ。それに、グレン・ポッターとはまたホグワーツで会えるだろう」
自分の親には逆らえず、ドラコはそれを聞いて不満そうな顔で押し黙った。そんなドラコを宥めるために、グレンはドラコの肩を叩いた。
「仕方ないさ。ドラコ、また学校で会おうぜ」
「あぁ・・・そうだな。今度はホグワーツで会おう」
互いに挨拶を交わした後、マルフォイ親子と別れたグレンとモラルドは次に杖の店に向かうことにした。
自分の持つ杖がどんな杖になるのかというのは、グレンが何年も前から楽しみにしていたことの一つだった。しかし、今になってグレンはそれよりもさらに気がかりとなることが胸中にあった。
「ルシウス・マルフォイは一体何を話したの?」
どうしても気になってしまい、グレンは思わずモラルドに「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店」で何をルシウスと話していたのかを尋ねていた。
「お前は知らなくても問題ないことだ」
モラルドはグレンの方へ振り向かずに静かに言った。それを受けて、グレンはこれ以上の詮索をするのを止めた。その後のモラルドはずっと、何か考え込むように沈黙したままで結局次の店に着くまでの一度もグレンに話しかけることはなかった。
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