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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十二話
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貴女と同じタイミングだとは。全く喜ばしいよ」
「それはどうか。妾らが兄者が、この場を見せるべく用意した舞台かもしれんぞぇ?」
「違いない」

 青髪の少女と、十二単の少女は同じ色の瞳を細めて笑いあう。邪悪な笑い方だった。

「■■■様。入室の許可を」
「■■■?■■■?いいよ。まってたよ〜」

 青髪の少女が、何もない壁に向かって話しかける。するとそこに、黄金色の扉が……無骨な鎖で縛られた、黄金色の扉が出現した。中から、幼い少女の声がする。

 青髪の少女が鎖に指を這わすと、それはじゃらり、という音と共にほどけた。露出した金色のドアノブを回す。

 中は、暗かった。常に夜が来ているこの部屋は、同じく常に暗い。その中にあって、この部屋の主はよく目立つ姿をしていた。

 夜の闇など吹き払ってしまいそうなほど鮮やかな金色の髪を持った、やはり()()い目の少女。だが、先の二人とちがってこの少女は非常に幼い。十歳、高くても十二歳と言った所であった。

「■■■様。お久しぶりでございます」
「久しぶり。二人が来てくれるの待ってたよ」
「お父上から預かり物がありますよ」

 青髪の少女が、空間を撫でる。すると、そこだけ亀裂が入り、亀裂から一冊の本が姿を現す。西洋風の装飾の施された、豪奢な本だった。

「新しい絵本(グリモア)でございます」
「わーい!うわぁ、これ欲しかったんだぁ!お父様にありがとう、って言っておいて!」
「御意に」

 青髪の少女は慇懃に礼をする。

「お父上は■■■様の誕生日には、ご自身でこちらに出向いて誕生日プレゼントを持ってくるとこのことでございます。それまでのご辛抱です」
「うん」
「妾からはこれを」

 十二単の少女は、自らの懐からやはり一冊の本を取り出す。しかしこちらは、青髪の少女のモノと同じく古風であったものの、東洋風であった。

「お父様が次に会った時に感想を聞かせてほしい、と」
「うん!大事にするね。二人ともありがとう!」

 金色の少女は、天使のような微笑を浮かべる。

 
 金色の扉が閉まる。青髪の少女がその扉を撫でると、再び鎖が巻き付き、扉は姿を消した。これでもう、あの扉を見つけるには彼女たちの王であり祖であり兄であり、愛する人である人物から、扉の位置を聞きださなければならなくなった。

「……■■■、■■■」

 その時だ。二人の元に、新たな声。出現したのは、銀色の髪の少女だ。しかし、この少女もまた幼い。十二歳ほどの外見をした彼女が、他の三人とちがっているのは、目の色だ。彼女の瞳は、右目だけが緑色、左目だけが()()だった。

「■■■■■■■」
「お兄様が御呼び……今すぐ王座へ」
「了承した」
「御意に」


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