第一部
第三幕 畜生叫ぶ
第三幕 畜生叫ぶ
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………。
「ケロ。だから、もしミーくんが人間が嫌いで、人間を殺したいのなら、私が真っ先に殺されてあげる」
「当然、ボクも死ぬさ」
「……私も構わん」
「それで、ミーくんが幸せになれるなら」
なんなんだよ?
一体何だってんだよ?
何でそんなこと言うんだよ。
俺達は人間共とは違って……………俺たちは……………。
「!?」
何だよ。
てめェら、なんつー顔をしてんだよ。
カエルはしゃっくりをあげ、
ナメクジは目の中を真っ赤にし
ゴリラは鼻をズルズルいわせる。
……………なんで。
なんで、そんなに人間みたいな顔をしてやがんだよ。
てめェらは……てめェらは…………俺達は…………人……間。
もう、畜生じゃなくて、人……間。
クソ。
クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ。
クッソォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
「…………………めェら、やっぱバカだろ?」
「ケロ」
ケロじゃねーよ……クソガエル。
「今、ここにいる、てめェらの一人でも抜けたら…………幸せになれるわけねえじゃねェか」
「ミーくん…………」
……頼む。頼むから。
「もうこれ以上俺の前から誰もいなくなるんじゃねぇええええええええええ!!」
その日、大変迷惑なことに閲覧会会場の救護室で、俺とカエルそしてナメクジとゴリラまでもが、顔を涙と鼻水でぐちょぐちょにしながら何時間も泣いた。
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