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さんすくみっ
第一部
第三幕 畜生叫ぶ
第三幕 畜生叫ぶ
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ゴリラの襟首を掴んだ。
「ああ? 言ってみろよ教育者! いつものように、有難いお言葉をご披露しておくれよ! なあ!?」
「………………!!」
「まだ……」
 俺の頬に何か熱いものが伝う。
「まだ、美味しく食べてくれたとか、栄養になったとか、寒さを凌いだとかでも、まだ許すことができる。だけど、なんだあれは。色合い? 綺麗? んなもんの為に、あいつは、あいつらは!」
 ゴリラは、ギュッと俺を抱きしめた。
「感謝をするための言葉はある。感謝するための心もある。なのにあいつらはなんで、俺達のために何も言ってくれない! 『詩』を謳わない!」
 クソッ! クソッ!!
「あいつらは……あいつらは……うぅ……あああああああああああああ!」
「……許してくれ」
「ああああああああああああああああ!」
「私は人間だ。今全ての人間の代表として私が謝る。すまない。本当にすまない。何なら、あの人の代わりに殺してくれても構わん。だから、私達馬鹿でクズな人間をここで許してはくれないか?」
「ふざけんなふざけんなふざけんな! あいつを殺す! 絶対殺す!その後にあんたも殺してやる! 人間は全員コロス!!」
「頼むから私だけを殺してくれ! 頼むからそれで幸せになってくれ!」
「ざけんなぁあああああああああああああああああああああああ!!」
 その時だ。
「ケロロ」
 そんな、クソふざけた声が聞こえたのは。
「ミーくん」
「しゃべんな」
 俺はそいつの方を見ずに言った。
「ミーくん」
「口を閉じろ」
「ミーくん」
「鳴いてんじゃねえぞ! このクソガエル!」
「……ケロ。やっと、私を『胃袋』以外で呼んでくれたね」
「てめェ──」
「私も殺されてあげる」
「……………はあ?」
 このボケは一体……。
「私ね。ミーくんに歌を褒められてね。すっごい嬉しかったんだ」
「おい」
 何を言って……。
「だからね、殺されてあげる」
「お前は──」
「おや?」
「…………………」
 相も変わらずの背筋が震えるようなキザったい声。お前まで何なんだよ。
「だったら部長のボクも死ななくてはならないね」
「はあ!?」
「ボクはケロちゃんもミーくんも大好きだし」
「そんなふざけた理由で!」
「全然ふざけてなんかないさ。ボクは二人とも真剣に大好きなんだ」
「俺は人間共さえ皆殺しにできりゃ満足なんだよ! てめェらには全然関係ないだろうが!」
「ケロロ。それは違うよ?」
「何が違うんだよ!」
「フフ。ボク達はね。もうナメクジでも、カエルでも、そしてヘビでもないんだ」
「────!?」
「ケロ。ここにいるのは、昔は違ったけど、今はみんな人間なんだよ?」
「グッ…………」
 俺は自分の肩から生えた、両方の腕を見る。
 俺も……人間
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