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さんすくみっ
第一部
第二幕 畜生部活に入る
第二幕 畜生部活に入る
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てくる」
「逆だ馬鹿野郎」
 身体洗ってから風呂入れや。
「フフ。君に渡す本は一週間くらい吟味させてもらうよ。最高の一冊を用意したいからね。じゃあ、また部室で」
「………………」
 正直、その時の俺にはその言葉が耳に入ってはいなかった。
 ……なんだ、こりゃ。
 俺は、そいつの股間を見た。
 別にそんなもんを凝視する趣味はないんだが、これは見ざるをえない。
 ………………デカ過ぎる。
 パッと見で拳三つ……いや四つ分はあった。
 胸もデカいやつは股間もデカイのか。
 ……なんか、すげぇ負けた気がする。



 風呂から上がり、部屋に戻ったらすぐに漢字の書き取りを始めた。流石に徹夜は嫌だ。
「『轟』とか一体どんなタイミングで使うんだよ……くたばれクソゴリラ」
 そんな事を言いながら十分くらい経った頃だろうか。あの声が聞こえたのは。
「ケッケッケ」
 ペキン。
「…………………」
 シャーペンの芯が折れた。突然のそれに思わず力を入れてしまったらしい。
 あの声だ。
 あの俺を人間に変えた『呪い』の嘲笑が、俺の部屋を包んだ。
「感心感心。ちゃんと学生してんじゃねえか」
 人間になってわかったことがある。
 この無駄に不気味な笑い声は、音の高さから察するに人間の小さな女の子のそれだ。
 この自称『呪い』は、大体一週間か二週間に一回ほどの割合で俺の部屋に現れる。声だけであり、その姿を見せたことは一度もない。何処かに装置のようなものがあるのではと疑ったが、それだと思うようなものは結局見つけることはできなかった。
「俺は真面目ちゃんだからな」
 最早音源の所在を捜すのも諦めている。
 俺は一瞥もすることなく(したくてもできねェし)、シャーペンの頭をノックする。
「ケッケッケ。部活にも入ったらしいじゃねえか」
 なんか知らんが、色々筒抜けのようだ。別に構わない。そりゃ気持ちのいいものではないが、こいつについて考えることは、全て無駄だということは、とうの昔に悟ってる。
 どうでもいいが、あのナメクジの時も思ったのだが、会話というのは相手と目を合わせないと存外やりにくいもんだ。
「『人助け部』いいじゃねえか。偽善者臭がプンプンするぜ」
 偽善者ねぇ。個人的にはそれ以上にブラック企業臭がするけど?
「お前明日からバックレる気だろう?」
「はは。スーパーウルトラ真面目ちゃんの俺が、そんなことするわけないじゃないか」
「ケッケッケ。ああ、そうだったな。じゃあ、そんなスーパーウルトラ真面目ちゃんなお前に、スーパーハイパーウルトラギガミラクル優しいオレがプレゼントをやろう」
「……プレゼント?」
 人を勝手に霊長類に改造するような奴が言うと、軽く背筋が凍るんだが?
「ああ、明日部活に出てのお楽しみというや
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