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さんすくみっ
第一部
第二幕 畜生部活に入る
第二幕 畜生部活に入る
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りたい。産卵準備中の鮭の如く帰りたい。
 つか、ナメクジってなんだ?
 もしかしたら、そんなに珍しい生き物ではないかもしれないが、少なくとも俺にはそのナメクジとやらの知識はない。
「ここ『寺子屋学園』には、君やボクのような人間もどきが沢山いるんだ。全校生徒が約600人に対して、お仲間が62人くらいだったっけかな」
 約一割か。一クラス40人くらいだから、単純計算うちのクラスには俺とあの胃袋女以外に二人くらいはいる感じらしい。
「で、ボク達人間もどきが人間に馴染みきることができないというのは結構あることなんだ。君もそんな経験はあったりしないかい?」
 ……ミステリーサークルのことは言いたくない。
「ボク達はそんな人間もどきの皆さんを助けるお手伝いをさせてもらってるんだ。人間もどきを助ける部活、略して『人助け部』」
「…………」
 なんだろう。略し方に半端ない悪意を感じる。
「ボク達ってことは、他にもいるのかよ?」
「ああ。あと一人かわいい女の子がいるよ」
 ああそうかい。そりゃ良かったね。
「てなわけで、俺はこれで」
「待て」
 くるりと回れ右をした俺の肩を、ゴリラががっしりと掴みやがる。痛い痛い。
「あの、俺どっかのゴリラに鬼のような宿題を出されたので帰らにゃならんのですけど?」
「大丈夫。そのゴリラはきっと許してくれる」
「え? 宿題しなくてもいいの?」
「いや、徹夜してでもやれ」
 このゴリラ、生徒様をなんだと思ってやがる。
「フフ。じゃあ入部届け出すね」
「待て! 俺はこんな部活に入るつもりはない!」
「んー。それでだと、サインが貰えないね」
 いや、そこは大きな問題じゃないだろうが、なるほどそのサインっつーやつをしなけりゃいいんだな。
「よし。サインは私が書こう」
「ふざけんなぁあああああああああああ!」
 弁護士を呼んでくれ! ここに不正を働くゴリラとナメクジが!
 俺はじたばたともがくが、ゴリラの万力のような上腕二頭筋が俺を完全にロックする。
 放せ! 放してくれ! バナナとかあげるから!
 そんな時だった。
「ケロッ! 遅れてごめんなさい! ちょっと内臓を戻すのに手間取っ……………………ケロォオオオオオオオオオオオ!?」
 そんな茶番劇と共に、動けない俺の顔面に胃腸がブチまけられたのは。
 ………………もう一人ってお前かよ。

 これが俺たち三人が顔を合わせた、一番最初の日だった。



 うちの寮は学園から、100メートルも離れていないところにある、小さな男子寮である。
 住んでいるのは15人。二人でルームシェアする用なのだが、奇数人なので一人あぶれる。そのあぶれたのが、一番新参者の俺だ。
「やっと帰ってこれたぁ」
 全身に広がる疲労感。
 結局俺は誰の弁護
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