第一部
第二幕 畜生部活に入る
第二幕 畜生部活に入る
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もあの力が欲しかったんだ。だから、無い知恵を絞って、色々と試して……できたものは、こうして虹を作る、ただそれだけの『呪い』」
「………………」
「ミーくん、君の言う通りだったわけだよ。『呪い』についてどれだけ調べて、考えて、実践してみたところで、できたのはこんな一発芸」
ナメクジは自嘲するように言う。
……一発芸。はは、謙遜が過ぎるぜ。こんな大それたもん、そんな言葉で片付けられてたまるかよ。
「悔しかったさ。ボクの夢がぁ叶わないと知った時は。でも今は」
「ケロ? 今は?」
「とても感謝をしているんだ。ボクや君達をこんな姿にして、またこんなただの虹を作るだけの、このとても素敵な『呪い』に。なんて言ったって、本来天敵同士であるはずのボクが、君達の部長になれたのだからぁ」
「……………部長」
天敵じゃなくて……部長。
いや、だって、俺たちは全員『元』畜生で──
「ケロ。私、ヌーちゃんの言いたい事がわかりました」
「はあ?」
俺は胃袋を見た。胃袋は未だに瞬きもせず、あの虹を見つめている。
一体何がわかったって──
「今日初めてこのメンバーで、一つの依頼をこなすことができた。これはボクからの餞別さ。二人とも……『人助け部』にようこそ!」
俺の疑問はそんな言葉に、かき消された。
「このメンバーなら、これから起こる色々な困難、直近のものだと、意地悪な『呪い』の罠だって乗り越える事が出来るとボクは信じてる」
………………はあ。
なんともまあ、信頼されたことで。
そして俺達三人による『人助け部』の幕は開かれたのだ。
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