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さんすくみっ
第一部
第二幕 畜生部活に入る
第二幕 畜生部活に入る
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だが、この数ヶ月後に学校内外含めて300股を達成する直前に、背中を巨大な出刃包丁で刺された奴がいるなんて噂が流れたが、それは今回の件とは全く関係ない話だと信じたい。



 そう言えば、と思う。
 あの『呪い』は、放課後に部室に来いと言ったんだったな。
 ……めんどくさっ。またあのイケメンみたいなのが来たらどうしよう。
 無情なことに、もう既に放課後になっていた。
 ゴリラからは例の如くふざけた量の宿題が出ていた。なんでも、俳句を百個作れと。…………教育委員会とかに訴えればいいのだろうか。
 俺はカバンの中に教科書等を詰め込み、席を立つ。
「おい、胃袋行くぞ」
「ケ、ケロ。……あの、右頬大丈夫ですか?」
「………………」
 俺の右頬には顔の半分を覆う巨大なガーゼが貼られてある。理由は勿論、あのドロップキックだ。
「……睨めっこでもできそうか?」
「…………ケロ。全勝できそうす」
 ……あとで覚えてろよ?

「先程、理事長様が来てくれてね」
 ナメクジは相変わらず本から目を離さず、机の上に三枚の紙を置く。……なんじゃこりゃ?
「これは?」
「今度の日曜日に開催される『沖縄展覧会』さ。いつも頑張ってる私達に是非だって」
 …………いつも頑張ってるっつっても吉本系殴ってジャニーズ系にしただけなんだが。
 それに沖縄って……。
「嫌な予感しかしねぇ」


 世の中というものは不思議なことで溢れている……なんてかなり今更感漂う事を考えてみたりする。
 事実は小説よりも奇なりなんて、昔の人間は言ったそうで、それは実は大正解だ。少なくとも俺は畜生が人間になったり、小娘が定期的に胃袋を吐いたりするよりも奇妙……というか珍妙な作り話と出会ったことはない。
「フフ。それは単純にあなたの読書量が足りないからだよ」
「お前基準で喋ってんじゃねえよクソナメクジ」
 チケットを貰ったその日、部活が終わった直後に俺と胃袋はナメクジに呼び出された。何でも大切な話があるとか。
「屋上なんて初めての来たぜ」
「ケロ。私はたまに来てます」
 もう夕日もくれ始め、辺りはすっかり真っ赤に染まってる。こんな明らかに寒そうなとこ、誰が来るかと思っていたが、案外悪くない気もする。
「罠だよ」
「ケロ?」
「………………」
 唐突にナメクジから切り出された言葉。……もう少ししみじみと空を見る時間もないのか。
「あの人が善意百パーセントで、こんな事をする筈はない。何かしらの、トラップがあるはずさ」
 ナメクジは例のリーディングスタイルを保ったままのたまう。
 トラップ……ねぇ。
「はは。じゃあ、てめェはどうすればいいと思ってんだよ。つか、わざわざご忠告いただかなくても、こいつが罠だってことくらい、あの『呪い』のことを知ってりゃ
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