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さんすくみっ
第一部
第二幕 畜生部活に入る
第二幕 畜生部活に入る
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学ランというものを、そいつが身につけているからだ。ボクとも言ってるし。
 ただ、何かおかしい。
 他の身体的特徴をあげると、長い髪を後ろで縛った髪型……なんちゃらテールだっけか? あとは薄くて、フレームのないメガネ。…………そして、クソでかい胸。
 あれ?
 哺乳類になりたての俺の中にある常識に、胸部が肥大化するのは女性だけというのがある。ただ、そいつのそれは明らかにその法則から外れている。あれか? 俺の知識がミスってたのか?
 あのクラスで途中退場した女もかなり小さかった気もするし……なるほど、胸は男の方が大きくなるのか。……少なくとも人間は。
 俺はそっと、自分の胸に触れてみる。……薄い。それに硬い。……これが貧乳というやつなのか。…………何故だろう。何だか死にたくなる。
 ホロリと涙を流す俺を他所に、ゴリラは話を続ける。
「私はそんな話を持ち出したことはない。この部活は我が校には必要不可欠だ。……そして、私がどんな顔をしてるって?」
「もっさりって言いたいんじゃ──ぶほっ」
 体罰二回目!?
「フフ。 なかなか面白そうな子だね。それでは今回はご依頼で?」
 男?は決して、本から目を離さずに言った。ふてェ野郎だ。
「こいつは依頼人ではない。この部の新入部員として推薦しに来た」
 そう言ってゴリラは俺の背中を叩く。ああ、新入部員ね。新入部員……はあ!?
「おい! 聞いてないぞ!」
「まあ、言ってないからな」
「ふざけんな!」
 このゴリラ、頭にバナナ吊り下げて永遠に走らせてやろうか。
「大体ここが何の部なのかもわかんねぇんだけど?」
 部活……例の如く知識だけはある。
 放課後に、仲のいい人間たちが集まって、スポーツや文化活動に勤しむものらしい。
 つまりはそんなもんに参加すると、俺の十時間がゴリゴリと減るわけで。
「ここはだな──」
「ああ先生。ボクが説明しますよ」
 そう言いながらも、そいつは本をしまう様子はなかった。
「ここは『人助け部』。君は元々人間じゃないね?」
「………………」
 俺は無言で肯定する。この『学園』に来る時、注意事項として、自分が元畜生であることを人間にバラすなと言われていた。けれど、目の前にいる奴はその口ぶりからして、ゴリラと同じ『知ってる』側の人間? らしい。そんな奴にまで隠し通す意味は無いだろう。
「ボクもそうなんだよ」
「…………へぇ」
 まあ、そうなんだろうな。
「何のの動物だったか興味はない?」
「ない」
 んなもん知ったところで、俺の学園生活にプラスがあるとは思えない。つか、これ以上お近づきになりたくない。もう帰りたい。
「まあ、ナメクジなんだけどね」
「興味ないつってんだろ!」
 なんだこいつ。なんなんだこいつ。ああ、もう。帰りたい。激しく帰
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