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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第5-M話 繰り返す者
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「ふむ…マナ・アルカナ…いや、龍宮真名がこちらでの名前だったか、うん。
よし、龍宮真名と長谷川千雨をお茶に招待しようとおもう。アンブレラのレインではなく、麻帆良の新入生の長谷川千雨を、だ。
龍宮真名が誘いに乗らないようなら、ここに来るまでお茶でも飲んで待っていればいい、これでどうだ」

傲慢でわがままなはずの真祖の吸血鬼としては最大限の譲歩とみていいだろう。

「わかりました、電話してきます、逃げませんのでしばし退席させていただきます」

そう断って玄関でマナに電話をかける…三度目のコールで出た。

「レインか、配達は終わったんだな」
「それが…仕事は終わったんだが、お茶に招待されてしまったんだ、お前も一緒に」
「…詳しく話してくれないか?」
「ああ、世間話に付き合えといわれてな、友人を待たせてるといったんだが…その友人がお前だとばれた上に一緒にお茶会はどうだ、と誘われてしまってな…一応お前

が断るなら迎えに来てくれたらそれで解放されるって事だが…そうそう、想像がついてると思うが、相手はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ」
電話口のマナがうめいたような気がした。
「…闇の福音からのお誘いをむげに断るのも後が怖い…か、ならば付き合うしかないだろう、機嫌がよければ何か土産をもらえるかもと思っておくしかないな、招待を

受けよう」
マナがため息交じりに言った。
「わかった、住所はわかってるか?」
「ああ、知ってるよ、直ぐ向かう」
電話の向こうからため息が一つ…まあ、バラライカさんにお茶に誘われたとでも思っておこう…

バラライカさんのように(利権やもっと内側の仲間が絡まない限り)いい人だといいなぁ…

そう考えながら私もため息を一つついてマクダウェル女史の待つリビングに戻った。

「どうだった?」
「はい、高名な博士直々のお誘いですので招待をお受けするとの事です」
「それはよかった…が、なぜそんなに博士を押すんだ?」
「え?…いや、敬称は相手が所有している中で最高位のものを使用するのが礼儀なのでは?」
…だと、私はアンブレラのビジネスマナーで習ったんだが…
「ああ…日本語では特に師弟関係がないなら目の前で話してる相手への敬称は『さん』で十分だよ。
まあ、客相手に『様』付けで呼ぶ場合もあるし、王族、皇族相手はもちろん別枠だ」
そういってメイドの方を見る。
するとおいしそうなイチゴのタルトの隣に置かれたカップに紅茶が注がれる。

「まあ、飲むといい、ミルクと砂糖は用意してあるが、ストレートがお勧めだ。
それと呼び方だが、私はレインではなく、長谷川千雨を招待したつもりだ。
その立場なら年上相手だからとさん付けする位でいいんじゃないか?」
そういってマクダウェルさんは紅茶を一口飲
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