歌い手、勝負する
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なり面白いわ、貴方。音楽を楽しむ、その感覚を悪魔に思いださせるなんて」
うむ・・・これは褒められてるのだろうか?
ラッテンさんはクスクスと笑ってるし・・・
「まあ、僕は僕でラッテンさんから一つ教わってますし、おあいこでいいじゃないですか?」
「私が・・・?ああ、無駄なものを介すな、かしら?」
「ええ。言われてみれば、生の音が一番いいに決まってます」
そんなことを話しながら、僕はラッテンさんに近づいていく。
「さて、負けたんですから大人しく捕まってくれますか?」
「分かったわよ。でも、殺さなくていいのかしら?」
「出来ることなら、人を殺したくないんですよ・・・サンドラちゃんたちも、ゲームが終わってから情報を集めるのが楽になるでしょうし」
「貴方、階層支配者をちゃん付けで呼んでるの?本当に面白い人ね」
そんなことをいいながらも、ラッテンさんは大人しく倉庫の中に入ってくれた。
「ふう・・・。結構長引いたけど、他の人たちはどうなったんだろう?」
そんなことを考えながら多鋭剣に乗って飛ぼうとしたら、ゲーム終了のアナウンスが、黒ウサギさんの声で流れた。
マズイ・・・勝手に抜け出した上に、重要な魔王との戦いに参加しないままゲームが終わった・・・お説教、確定だな・・・
かなり憂鬱な気分になりながらも、僕はサラマンドラの本拠に向かって、足をすすめた。
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