暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
月光校庭のエクスカリバー
第37話
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込んだ。
「触れるな。アーシアに近づいたら俺が許さない。あんた、アーシアを『魔女』だといったな?」
「言ったがなにか?少なくとも今の彼女はそう呼ばれてもおかしくない存在だと思うが」
 その言葉にイッセーがキレ、激情のまま言う。
「ふざけるな!何で救いを求めていた彼女を誰も助けなかった!アーシアの優しさを理解できなかった連中はみんな馬鹿野郎だ!友達になってくれる奴もいないなんて、そんなの間違ってる!」
「『聖女』に友は必要ない。必要なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。友人を求めた時点で『聖女』は終わる。『聖女』なら神の愛だけで生きていけたはずだ。故に彼女には『聖女』の資格がなかったんだろう」
 ゼノヴィアの当たり前だと言わんばかりの言葉にさらに感情を高ぶらせている。
「イッセー!」
 声を張り上げてイッセーを止める。
「俺たちとは考え方が違うんだ。どんだけ言おうと意味がない」
「だけど、言われっぱなしじゃ!」
 さすがイッセー。友達のために何処までも熱くなれるやつだ。
 でもお前じゃ感情的になるから、勝手にヒートアップしていくだけだ。
「だから俺が言う」
 イッセーのように熱くはなれないが友人を蔑まれて黙っていられるほど冷えていない。
「聖女に必要なのは分け隔てない慈悲と慈愛と言ったな?」
「ああ、言った」
「なら彼女は俺の知る限りもっとも『聖女』と呼べる存在だ。なんせ、彼女の力は『分け隔てなく』ふるまわれているんだから」
「だがその力は魔女としての力だろう?神に見限られた存在を癒やせるはずもない」
「そもそも彼女は自ら『聖女』を名乗ったはけじゃ無い。そっちがその力を見て、勝手に祭り上げただけだろう?彼女は初めから友人を望んでいたんだから」
「彼女の力にこっちのものが魅入られたんだろう。でなければそのような思いを持つ者が聖女になるはずはない」
 予測はしていたが暖簾に腕押しだ。まるで意味がない。いや、自分の都合のいいように解釈している。自分の考えを全く否定しないから、相手の言葉を否定する。自分を正当化するために。
「・・・何が神だ。アーシアがピンチだったとき助けてくれなかったくせに」
「神は愛していた。それで救われないのならば、それは彼女の信仰が足りなかったからか、偽りだったからだよ」
 何を根拠に愛してくれていたというのだろうか。
「君は彼女の何だ?」
「友達だ!仲間だ!だからアーシアを助ける!お前たちがアーシアに手を出すなら、お前たち全員敵に回してでも戦うぜ!」
 気概は同意するが最後のはさすがに言い過ぎだ。
「一悪魔が大口をたたくね。それは我々への挑戦かな?」
「イッセー、おやめな―――」
 部長がイッセーを止めに入るが
「僕が相手になるよ」
 今まで黙っていた祐斗が入る。
「誰だ?君は」

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