暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
月光校庭のエクスカリバー
第37話
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い想いだ。
 いや、分からないわけではない。信じたモノにすべてを賭ける。その想いはついこないだイッセーが示した。それは部長と言う身近な人物のために。
 だが彼女たちは神と言う会ったこともないだろうモノのためにすべてを賭ける。
 俺は偉大な他人より、ちっぽけな知人を信じる性質だから彼女たちの想いを理解できない。
「それに教会はエクスカリバーを堕天使に使われるくらいなら、消滅させた方がいいと判断した。だから私たちの役目は堕天使の手からエクスカリバーを無くすこと。そのためなら差し違える覚悟さ。エクスカリバーに抵抗できるのはエクスカリバーだけだよ」
 その過信がどう出るか。それにその理論で行くと過去にエクスカリバーは折れていない。
「そろそろお暇するとしようかな。イリナ、帰るぞ」
「そう。お菓子くらいふるまうけど、どうかしら?」
「いらない」
「ごめんなさいね。それでは」
 部長の提案に即答するゼノヴィアに謝りながらも席を立つ紫藤。
 だが部屋を出る途中で二人の視線はアーシアに向かった。
「―――もしやとは思ったが。君は『魔女』アーシア・アルジェントか?このような場所で出会うとは」
 上と通じてる聖剣使い。ならアーシアの事を知っていてもおかしくない。
「あなたが一時期噂になっていた『魔女』になったていう元『聖女』さん?悪魔や堕天使すら癒やす力を持っていたから追放されて、どこかに流されたって聞いたけど。悪魔になってたなんてね」
 『魔女』と言われるたびにアーシアの体が震えている。彼女にとってその言葉は鬼門だ。
「・・・あの・・・私は・・・」
 二人に迫られて、言葉を紡げていない。
「安心して。教会には伝えないから。『聖女』アーシアの周囲にいた人たちに今のあなたの事を話したらショックを受けるでしょうから」
 内心複雑なんだろう。黙ってしまった。
「しかし悪魔か。堕ちる所まで堕ちたな。いまだ我らが神を信じているのか?」
「何を言ってるのゼノヴィア。悪魔になってまで信じてるわけないでしょう」
「いや、私には匂いと言うか、雰囲気で信仰している者がわかる。追放された者の中にも罪の意識を感じながらも信仰心を忘れない者もいる。彼女からはそんな気配がする」
「そうなの?アーシアさんは悪魔になっても我らが主を信じているの?」
「・・・捨てきれないだけです。今まで信じてきたものですから・・・」
 生まれてからずっと彼女は教会で過ごしてきた。そう簡単に捨てられるものじゃない。
 答えを聞くと、ゼノヴィアは布に包まれたままの聖剣を突き出す。
「そうか。なら今この場にて私に斬られるといい。いまなら神の名のもとに断罪してくれよう。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
 アーシアに近づくゼノヴィアの間にイッセーが割り
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