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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十四話 管理局との契約 前編
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らせる事が出来た時、俺との契約をしていてもリインフォースを夜天の書の管制騎として責任が問われる可能性。
 そして、人格や魂という見えないところを俺が寄り代となった時の魔法の喪失である。
 魔導師の様な機械を組み込んだモノと魔術は相性が悪い。
 それが故に今回の手がうまく行くのだが、魔法を運用するためのプログラムや知識を格納するモノ、デバイスが必要となる。

 そして、夜天の書の管制騎として責任が問われる可能性。
 これは一歩間違えば今後はやて達に会えなくなる可能性もあるので、防ぐ必要がある。

 そのために俺自身という交渉道具を使うとしよう。

 自己犠牲といえば聞こえはいいが、一度世界をやり直したぐらいではこの身の歪んだ思考は変わらないらしい。
 そんな事を内心考えながら、

「リンディ提督、管理局と取引がしたい」

 俺を案じるリンディさんの思いを無視し、無茶な取引を持ちかけた。

「……取引ですか?」
「ああ、私が十五歳、この世界での義務教育期間が終わるまでの六年間、嘱託魔導師として管理局に所属する。
 対価として私専用のデバイスの提供。
 そして、リインフォースについては今後も魔法を使えるようにプログラム格納デバイスの提供とプログラムの改変という事情を考慮し、責任を追及しない。
 無論、私とリインフォースのデバイス不具合の対応や調整、相応の対応をしてもらう」
「士郎君、その取引は」
「無論、私の秘儀については教える気は無いが調べたければ勝手に調べればいい。
 そして、管理局の返答がなく、リインフォースが消滅した場合は今後一切、交渉の場に立つ事もない」

 リンディさんの言葉を遮って取引、いや通告を行う。

 このやり方では取引とは到底呼べないだろう。
 一切の時間の猶予を与えずに一方的な要件を突きつけているのだから。

 そして、その事はリンディさんも気がついている。

 互いに視線を逸らす事なく無言で意志を確認し、リンディさんがため息を吐いた。

「わかりました。至急確認します」

 リンディさんは何も言わず通信を開き確認を始める。

 さて、この返答を管理局はどう出すかな。
 この返答は俺の無茶な要望を通すのが一番の目的だが、他にも確認出来る事がある。
 それが管理局側の俺、魔術に対する関心である。

 この事件の戦闘で俺の魔術が転送ではない事は管理局も気がついているはずだ。
 それゆえに俺の本当の魔術に興味を持たずに、ここで関係を切って魔術の存在を無視するのか、それとも魔術に高い関心があり俺の無茶を受け入れるのか。
 返答とそれまでの時間で管理局がどの程度魔術に関心を持っているのか測る事が出来る。

 無論、この脅迫のような交渉は敵意を持たれやすく、戦
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