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《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
ピエロ
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は......」

ーー危険だ。そう言おうと思った矢先、ザッと悲鳴のような音が無線に走る。道化師の銃口が電光石火で狙いを定め、吐き出された弾丸がギンロウを蜂の巣にしたのだ。

あっさりと砕け散るアバターを見てシノンは歯ぎしりする。ほんの一瞬、遮蔽物から顔を出した相手にこの反応速度。一体どんな反射神経を持ってすればそんな芸当が可能なのか。

『なっ!嘘だろ!?』

裏返ったダインの声を無視し必死でスコープの中に赤い姿を探す。同時に味方の反撃も始まるが、それは奴にとっていかにも遅い反応だった。敵を仕留めるはずだった弾丸は、虚しくコンクリートを削るだけにとどまる。

「消えた?」

違う、移動した。そのことに気がついたのは、するりと弾を躱した《ピエロ》が牽制のプラズマグレネードを味方に投げつけてからだった。ズン、と重い音が無線越しに鼓膜を震わす。

あのスピード、高レベルのAGI特化型以外にあり得ない。もうめっきり古くなったスタイルにベテランプレイヤーが翻弄されている。

かなりの手練れ。本物の強者。

そう理解した頭に電流が走る。躊躇はしなかった。シノンは身を焦がす衝動の命ずるまま、相棒の《へカートU》を背負いその場から駆け出した。

仲間を助けるため?ーー違う! 逃げるため?ーー絶対に違う、闘うためだ! あいつと闘い、自分の全てをぶつけて倒す。その先にあるものがきっと本物の強さに違いない。

待っていて。あなたを倒し、朝田 詩乃を殺す糧にしてやる。



????????????



「なんだあの動き!? 1発も当たらねぇ!」

「よせ、あいつだけに気を取られるな。 敵は他にもいるんだぞ!」

アサルトライフルを乱射する緑色の髪のアタッカーを押さえつけ、ダインは低く怒鳴った。事実、彼の言ったことは正しい。すでにメンバーを2人失った彼らは後手に回る他なく、必然的に突出している《ピエロ》に火力が集中する。だが、その隙に光線銃から肉薄されれば防護フィールドとて無用の長物と化すのは明白だ。

2つの脅威に挟み撃ち、そして全滅.....容易に想像できる結末にダイン泣き出したくなった。

「くっそ! あのふざけた《ピエロ》のせいだ。あいつさえいなければ......」

こちらの射撃は全て躱し、ありったけの弾丸を叩き込んでまた消える。典型的なラン アンド ガン戦法だが、そのスピードが凄まじい。《着弾予測線》が見える前に瞬間移動と思える動きで身を翻すのだ。中身が人間かどうかすら疑いたくなってくる。

どっちにしろこのままじゃジリ貧。逃げるか?いや、それをあいつが見逃してくれるのか? だが逃げなきゃ全滅....

「な、なぁダイン。俺聞いた事あるんだけど、あいつもしかして《殺し屋ピエロ》な
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