第八十二話 切り拓かれる運命
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えてデスティニーの掌がそれを捉えると同時にシールドをパージしたのだ。パルマフィオキーナの攻撃を何とかシールド一つを犠牲にする事で避けたがそれでも損傷は大きい。零距離用のビームとはいえその兵器の本来の姿はビーム砲であり戦艦すらも一撃で破壊できる武器だ。シールドが破壊され、そのまま左腕の関節も破損する。
「さあ、その両腕でどう戦う気だ!」
ハイネの言ったように既にリゼルは満身創痍と言える。右腕は完全に破壊され、左腕は関節部も殆どが破壊されている。それでもバルトフェルドは諦めてはいないが今の左腕の関節の状態ではビームランチャーを一発放てれば良い方だろう。
『……アークエンジェルを落とさせるわけにはいかない!年長者の俺が頼りなくて悪いが後は任せるぞ、キラ君、ラミアス艦長!!』
故に、バルトフェルドは自分の命を賭けてでもアークエンジェルへと向かわせないようにする選択を選んだ。リゼルを可変させMA形態に移行する事でビームランチャーを使いながら突撃する。腕を介しないMAの状態であればまだビームランチャーによる攻撃は可能だ。
「突撃だと、正気か!?」
『あれを止める為だ、俺一人ぐらいの命で――――道が拓けるというのなら惜しくは無い!!』
「冗談じゃねえ、テメエのそれは自分勝手なだけの自己満足だろッ!」
MA形態での突撃。PS装甲系列であるデスティニーの装甲には通用しない。オレンジカラーが施されている事からもわかる事ではあるが、本機のハイネ・ヴェステンフルスが乗っているデスティニーの装甲は防御性能がシン・アスカの乗るものより高く設定されている。更には電力の配分を計算する事で個人ごとにおける被弾率を計算し、最小限にダメージを抑えるような構造となっているだ。つまり、何が言いたいかと言うと――――
「ただの突撃で、倒せると思ってんじゃねえぞ!」
突撃されてもデスティニーにとっては痛手にならない。ビームランチャーがデスティニーの回避ルートを塞ぎ、リゼルの突撃を可能とさせたが、それはハイネにとっては寧ろ好都合である。危険な威力を持っているビームにだけ警戒すればいい。しかし、それはバルトフェルドの賭けがある意味で成功したということを意味した。
MA形態となったリゼルの先端部がデスティニーに衝突する。だが、それはデスティニーにとって大したダメージにならない。それどころかソリドゥス・フルゴールのビームシールドが攻撃武装として展開される事で装甲の薄いリゼルの先端部が拉げ、あらゆる部分が悲鳴のようなアラートを鳴らしコックピット内部でも機器の一部が爆発する。
『まだまだァッ――――!!』
既にリゼルのビームランチャーも銃身が焼け爛れ、機体の一部のスラスターなどは使い物にならない。機能が生きているのはほんの僅かだろう。だが、バ
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