第八十二話 切り拓かれる運命
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
での長距離移動からの戦闘――――長時間の高速移動と閉鎖空間でのストレスが大きいこれはパイロットという立場である意味最も避けたいものの一つだろう。それをイザークは行うという。だが、最善を尽くすというのであれば確かにその選択は間違ってはいない。
「ハァ、わかったよ……で、武装はどうするんだ?可能な限りって言っても持っていけるもんには限度があるだろ。あの機体が持てる武器は色々とあるし、どれを優先したら良いんだ?」
「その位自分で考えろ、と言いたい所だが遠距離用の狙撃系統を中心に持っていけ。おそらく向こうは乱戦状態になっているはずだ。そんな中に横から介入するならば直接叩くよりも長距離からの援護射撃の方が有効的なはずだ」
元々本来のケンプファーであればその機動力を活かして強襲を仕掛けるべきなのだろうが、クラウは実弾に強いPS装甲を持つ機体に対する対策の為にケンプファーの武装の汎用性を高めていた。そういった経緯もあってか、元々装備していた多数の銃火器に併せて別のビーム兵器も含めた射撃武装を取り付ける事が可能としていた。そして、結果的に性能が予定していたものよりも大幅に上回る事となったのだ。しかし、一方で皮肉な事だがイザークがこの機体を選ばなかった理由はこれが原因とも言えた。
多くの射撃武装を取り付ける事が出来るケンプファーは図らずも射撃武装メインの機体となってしまったのだ。無論、その数多くの射撃武装を取り外す事で強襲用の機体として本来の性能を発揮させる事も出来るが、それならばわざわざケンプファーを選ばずとも他の機体で代用が利いてしまう上にそちらの方が性能が高いものも多い為、射撃機体としてデータ上では記録されていたのだ。ちなみにクラウはケンプファーを建造した後は関わっていないので、その事を知らないのだがそれは余談といえる。
「急いで取り付けさせろ。俺の機体の方にはENパックのマガジンを用意しておけ」
「ジュール隊長。他にも武装を用意したほうがよろしいのでは?リゲルグなら他にも武装を持たせる事は可能ですし……」
ジュール隊の一人はイザークが弾薬だけで銃を手に持つものと予備の二つしか持っていく気がなく、他の武装を持っていかないことに対して意見する。しかし、イザークはにべも無くそれをいらないと否定した。
「他の武装も持っていけだと?そんなものはいらん、一々向こう側で武器を取り替える気は無い。必要となったら向こうで勝手に拾うぐらいの事はする」
イザークやディアッカ以外のジュール隊の面々も付いていくと申し出た者等がいたが、イザークはジュール隊での指揮系統の混乱を避ける為に長距離からの狙撃での誤射の危険性を解決する為の観測手とイザークのように強襲するのに共に行動できるであろうシホを含めた実力を伴っている者数名のみ同行を許可した。焦りを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ