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ゲルググSEED DESTINY
第八十二話 切り拓かれる運命
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にノーマルスーツのヘルメットを被せ、そのまま格納庫の足場を蹴って離れる。シンは咄嗟に手を伸ばしたが、その手が届く事は無く、それはある種の別れと呼べるものだったのかもしれない。

「自分の道を選んだんだ。誇れ、迷ってもいい、時には足を止めたって良い。ただ――――俺のようになるなよ。お前は前に進むんだ」

シンはクラウを呼び止めようと叫ぶが、笑顔を見せながら敬礼して離れていく。その様子を見て、やがてシンは葛藤を見せながらもデスティニーを起動させた。入り口が開き、宇宙の広大な海が目の前に広がっていく。

「――――わかったよクラウ、ありがとう……シン・アスカ、デスティニー――――出ます!!」

前に進めという何気ないその一言。別れの言葉にしては少ない。何時だってクラウはそんな奴だったとシンは思い返す。だが、そんな一言でも十分に伝えたい言葉は伝わった。シンは真っ直ぐ前を向く。デスティニーは今、パイロットであるシンの運命を切り拓くためにその翼を広げて出撃した。

「………行ったな」

「クラウ・ハーケン技術主任殿。両手を挙げ、ゆっくりとこちらに向いてください」

格納庫に現れたザフト兵。中央にいる責任者らしき人物を除いて全員が銃を持っており、その銃口はクラウへと向けられている。

「流石、仕事が早いね。それともこうなる事を誰かに聞いていた?例えば、デュランダル議長とか」

「察しがいいな。その通りだよ――――デュランダル議長がお呼びだ。貴様にはそちらまで連行させてもらう……シン・アスカを逃がした罪は重いぞ」

やれやれと苦笑しながら彼は抵抗する事も無く大人しく連行されていくのだった。







「何だと!?メサイアから砲撃が発射されたというのか!」

「ハッ!その砲撃はジェネシスを小型化したものとのことです。その為、威力に関しては低下しているようですが……同時に、インターバルも短くなっていると推測されていまして――――」

ジュール隊は今だ合流できていない状況でほぼ最悪の形で戦端が開かれた事を聞き、イザークは怒りを見せる。ディアッカも難しい顔をしており、彼等にとっても想定を大きく上回っている状況であるということは言うまでもないだろう。

「……MSドックへと向かうぞ、ディアッカ!貴様の機体と俺の機体なら長距離用のプロペラトタンクを後付できたはずだ」

「おい、イザーク。まさか……」

まさかと思いながらディアッカは頬を引きつり自身が思い浮かんだ予想が外れてくれる事を――――可能性は全くと言っていいほど無いであろうが――――願う。

「俺達だけでも現地へ先行する。武装を可能な限り取り付けておけ。先に行く以上、向こうで補給を受けるのも難しいからな」

「マジかよ――――」

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