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夜明けのブレス
第二章

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第二章

「それじゃあね」
「行くんだね」
「ええ」
 僕の言葉に頷いてくれたのだった。
「じゃあ行きましょう、海に」
「泳げないからね」
「海は泳ぐだけじゃないじゃない」
「そうだね。見るのもね」
「それも海よ」
 彼女は笑顔で話してくれた。
「だからね」
「行こうか。それじゃあ」
「ええ、これからね」
 僕達はその足で街を出てそのうえですぐ傍にある浜辺に入った。海は白く砂も同じだった。僕達はその白い世界に入ったのだった。
 見上げると空もだった。空もまだ白い。その何もかもが白い世界の中でだ。僕達は二人でいてそのうえでお互いを見てまた話をした。
 白い波が白い砂浜を打って泡を作る。それを足元に置いて。
 僕はだ。また彼女に言った。
「それでね」
「それで?」
「さっきの話の続きだけれど」
「二人の話ね」
「うん、それだよ」
 まさにそれだと。彼女に話した。
「それだけれどね」
「そうよね。二人よね」
「不思議だよね、本当に」
 この言葉が出て来た。僕の口から。
「一人だったのに二人になるなんてね」
「ええ、そして」
「うん、そしてね」
「ずっと二人なのね」 
 彼女の言葉はそれが信じられないといったものだった。
 そしてだ。そのうえでまた話すのだった。
「私達はずっとね」
「そうだね。それでね」
 僕の方からだ。言った。
「僕は君をね」
「私を?」
「うん、一緒になるから」
 だからだと。僕は話すのだった。
「守るよ、君をね」
「私を?」
「うん、守るよ」
 彼女の顔を見て。優しい言葉で話した。
「ずっとね。僕達がこの世に生きている限りね」
「そうしてくれるのね」
「そうするよ。君が僕の」
「貴方の」
「生きる証になるんだ」
 こうも告げた。
「僕がこの世にいる限りね」
「そうなるのね。私が」
「そうだよ。二人でいるから」
「それじゃあ私は」
 僕の今の言葉を受けてだ。彼女も言ってきた。視線を上にやってだ。そうしてだった。
「貴方を愛するわ」
「愛してくれるんだ」
「私達が生きてる限りね」
 僕の言葉を。そのまま返してくれた。

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