導入編
麻帆良編
導入編 第3-M話 昔話
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従妹って言うと?」
「ああ、私は戸籍上はユウキの育ての親でもある龍宮夫妻の養子なんだ。
だから私のここでの名前は龍宮真名だ」
マナがどこか誇らしげに言う
「なあ、マナも寮に入るんだよな、その予定日と部屋割りってわかるか?」
「?明後日入寮で関東魔法協会に所属してない関係者二人と同室だ。
確か…長谷川千雨と桜咲刹那と言ったか」
確定だ
「私の日本での名前は言ってなかったかな、マナ」
「そう言えば聞いて無かったか、アイシャさんの名字を使うなら春野レインか?」
まあ、私が戸籍を持っていなければその名前で戸籍を作っただろうが違う。
「いや、私が元々日本人だとは言った事あるだろ?
その戸籍をそのまま使って長谷川千雨と名乗っているんだ、マイルームメイト?」
「…外様の関係者と言う時点で気づくべきだったか…ともかく三年間よろしく頼む」
実は結構気にしてた同居人の一人が知人だった事に気が楽になった私だった。
その後、店員を呼んであんみつの追加注文とマナおすすめのお茶漬けのためのお茶を注文した。
そして締めのお茶漬けを堪能し、私達は昔話に花を咲かせていた。
「初めてレイン、いや千雨と二人だけで出掛けた日の事は今でも忘れられないよ」
「二人の時はレインでいい…まあ、あれは忘れられないだろうな…」
私が苦笑する
「拐われかけたのが2回だったか」
マナも笑いながら言う
「それにスリをぶちのめしたのもそれぞれ2回、それもアイシャの事務所から近くの屋台街までの間に、だな。
普段着ないような服着てるだけで私を私とわからんアホだけだったが…普通、身なりのいい子供が二人だけで歩いてたらあの数倍はある」
「極めつけはお前の友人の運び屋の発砲騒ぎに巻き込まれ、悪徳警察に事情聴取…その次よりはましだったがな」
マナが遠い目をする。
「ああ…あの時はモスクワ初め、町中がピリピリしてたからなぁ…」
「あの時は内戦中の国に迷い込んだかと思ったよ…ああ、あの双子に会ったのもあの時だったな…」
あの二人の事は決して忘れないが、同時にあんまり思い出したくない件だ
「なあ、レイン。久しぶりにあの歌を聞きたい、近々歌ってくれないか?」
「…そうだな、あいつらは…忘れられない友達だからな…こういう街で歌うのも供養になるだろうさ」
私とマナの間にシンミリとした空気が流れる
「お待たせしました、クリーム餡蜜2つお持ちしました」
店員の声が有り難かった。
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