ルリム・シャイコースとの戦い U
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「神殺し・・・新しい・・・・・・?」
余りに突然の状況が続き、護堂の言ったことを理解出来ていない祐里。彼女に出来たのは、呆然と、彼の言ったことを呟き返すだけだった。
「ああ。・・・たった五日前にな。・・・それなのに、最初のを含めればもう三度目の戦いなんだが・・・・・・これが普通なのか?」
「さん・・・・・・!?」
普通な訳がない。
そもそも、そんな数日単位でまつろわぬ神が襲来していれば、とっくの昔に世界は滅んでいる。間違いなく、確実に、草薙護堂は特別な例である。新生してから一週間経たずに三回も神との戦いを繰り広げるなど。
通常は、一度怪我を負えば、カンピオーネの体とて治療にそれなりの時間を奪われる。それが、彼の権能により大幅に短縮されているのも原因なのだが。
「・・・兎に角、よく頑張ったな。あとは俺に任せろ。」
「あ・・・。」
ポンポンと、子供をあやす様に優しく頭を叩き、目の涙を拭ってやる護堂。それは、彼からしてみれば、泣いていた女の子を泣き止ませる為だけの行動だった。
その行動に、彼女はとても大きな安心感を得ていた。まるで、眠る直前に父親にあやされる子供のように。あぁ、彼がいればもう大丈夫なのだ、と。
きっと自分たちは救われる。あの邪神を倒してくれる。それを無条件に信じられるカリスマを、彼は会得していたのだ。
『グ、オオオ・・・!』
「おっと・・・どうやら、ゆっくり話してもいられないようだな。」
吹き飛ばしたルリム・シャイコースが起き上がるのを確認した護堂は、襟元に付いた小型無線機で鈴蘭と連絡を取る。
戦闘に機械を使用する魔術師やカンピオーネは非常に稀だ。昔は【神殿教会】なども使用していたが、今は財政の悪化で使用出来ていない。
機械というのは非常に便利だ。使い方さえ覚えれば、誰もが一定の技量で使用出来る。魔術のように、熟練度の差による強弱は存在しない。
なら、何故魔術師たちは機械を使わないのだろうか?
答えは簡単で、別に、魔術師が機械を嫌っているという話ではなく(嫌っている者もいるだろうが)、ただ単に戦闘に使用できる強度の機械を作るには、それなりの研究機関が必要だというだけの話だ。
魔術師が戦うのは、同じ魔術師や神獣、まつろわぬ神である。現代科学を超える常識はずれの攻撃力や、雷や水などの機械の天敵の攻撃を連発してくる奴らに、並みの機械では対処出来ない。そして、研究機関を作れば、莫大な費用がかかる。
だからこそ、かつて世界最大級の魔術結社であった【神殿教会】や、ドクターという規格外チートの存在する【伊織魔殺商会】くらいしか、機械の使用ができなかったのだ。
「鈴蘭さん。無事な子がいました。迎えに来れますか?」
『オッケー。一瞬だ
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