ルリム・シャイコースとの戦い U
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「・・・・・・嘘、だろ?」
そして彼は発見してしまう。
『く、クハハハハハハハハ!形成逆転だな神殺し!!!』
彼の後方。上空何十メートルもの場所に、巨大な・・・あまりにも巨大過ぎる氷山が浮いていたのだ。
『ルリム・シャイコースは”イイーキルス”から白い光を放射し、世界を滅ぼそうとしている』という一文が示すとおり、白き光を発射するのは”イイーキルス”である。
”イイーキルス”というのは、ルリム・シャイコースが乗ってきた巨大氷山で、この神は、この氷山に乗って様々な次元を旅すると言われているのだ。
もうお分かりだろう。
実際に凍らせる権能を持つのは、この”イイーキルス”だ。”輝くトラペゾヘドロン”や”コルヴァズの剣”と同じ。大きさこそ規格外であるものの、神具の一つなのである。
ルリム・シャイコースは、護堂が突撃してくるのを見た瞬間、この”イイーキルス”を上空に浮かび上がらせていた。そして、護堂が攻撃するその瞬間。一対一の戦い故に、ルリム・シャイコース以外に対する意識が一番希薄となったそのタイミングで、白き光を放射させたのである。
本来ならば、この時点で護堂の敗北は決定的だっただろう。白き光は、護堂の全身を包み込むように発射されていたのだから。
・・・だが、護堂が使った技が螺旋丸だった事が、彼の命を救った。
超小型に圧縮した台風を、ゼロ距離で相手にぶつけたのだ。反動が来ないはずがない。彼は、ただアニメをチラ見しただけで、この術がどういう現象を引き起こし、どれだけの反動があるかなど考えてもいなかったのだから、対策などしているはずもない。
故に、彼は吹き飛ばされた。
結果、彼の体は弾かれ、光の攻撃範囲は右腕だけになった、ということである。
『結果は変わらん。一度でダメだったなら、二度三度と当てるだけだ。』
だが、安心はしていられない。
護堂は見た。”イイーキルス”の頂点に、眩い光が一つ、二つ、三つと増えていくのを。
「一発だけじゃ無かったのか・・・!?」
『溜めの時間が必要だったのさ。今なら、俺とお前の距離は十分に離れている。そして、その腕ならマトモな攻撃をすることなど、出来はしないだろう?』
「くっ・・・!」
護堂は歯噛みした。本来この神は、螺旋丸の攻撃を防ぐことが可能だったのだ!それこそ、アフーム=ザーのように、分厚い氷の盾を作るなりして。
しかし、あえて攻撃を喰らった。夥しい量の黒い血液を体中から吹き出した重傷の状態になってでも、護堂と距離を取るために。ルリム・シャイコースは、見た目からも分かるように敏捷性が低い。・・・だからこそ、『吹き飛ばしてもらう為に』、
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