ルリム・シャイコースとの戦い U
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力の塊。切れ味を優先したが故に薄くなり、質量や重量も小さくなった氷の刃が耐えられる訳がなかった。
路傍の小石のように、天高く舞い上がり、甲高い音を立てて砕け散る。
更に彼は、自分の背中と足から風を噴出させ、ジェットのように飛んで加速する!!!
『ぐ・・・っ!突破してくるだと!?』
あの程度で神殺しを殺せると思っていた訳ではないが、正面からの突破は躊躇すると思っていたルリム・シャイコースは焦る。少しでも動きが鈍れば、その瞬間に切り札を行使出来たのに、と歯噛みした。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
護堂は、右手の中に風を収束させる。イメージするのは、つい先日テレビを付けたら偶然見かけたアニメの技。アニメの名前も覚えてはいないが、その技名だけは覚えていた。
(圧縮、圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮!そして回転させる!!!)
非常に高度な技術を必要とされるこの技も、戦闘時のカンピオーネにかかればこんなものである。アニメをチラ見しただけでは分からなかった細かい修正部分。それらも、直感的に見つけて修正していく。
たった数秒で、彼はあの技を完成させてしまった。
ギュギュ、ザザザザザザザザザザザザザザザザザ―――!!!
圧倒的な呪力を内包したその球により、大気が捻じ曲げられ、周囲の景色が歪む。練習したことすらない、今思いついた技だったが成功した。彼は、この技は今後の切り札としても使える、と確信する。
(この権能は攻撃力が心もとないと言われていたけど、どんなものでも使い方次第ってことか!)
「喰らいやがれ!・・・・・・螺旋丸!!!」
凶悪な威力を内包するその風の塊を、右手で敵の体に押し込む護堂。風の結界も、敵の体を切り刻んでいく。
ドッ・・・・・・・・・!!!
超圧縮された台風が、ルリム・シャイコースを吹き飛ばし、抉る。手のひらサイズにまで圧縮され、威力を増したその球は、まるでミキサーや削岩機のようにゴリゴリ、ゾリゾリと、その身を削り取っていく。
『ゴ、ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
「ぐ、あああああああああああああああ!?」
だが。
ルリム・シャイコースも、ただやられる訳がない。彼は、肉を切らせて骨を断つの諺通り、自身の身を犠牲にして、護堂に致命的な攻撃を当てていた。
「う、腕が・・・!!!」
護堂の腕が、凍りついた。
「何だ・・・?どこから攻撃が・・・!!!」
ルリム・シャイコースが何かをした形跡は無かった。どこからか飛んできた攻撃によって、彼の腕は氷にされた。
右腕を肩口から氷結された護堂は、痛みに呻きながらも今の攻撃がどこから放たれたのかを見定めようとした。
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