ルリム・シャイコースとの戦い U
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ゃ!』
『みーこさん!?・・・分かった!護堂君聞こえてる!?私が今から彼女をそっちに戻す!ただ、私が長くそっちにいるのは危険だから、出来るだけ早くどうにかして!!!』
ザ、ザザザ・・・と、無線機から雑音しか聞こえなくなる。恐らく、鈴蘭の転移により座標がずれたのが原因だろう。すぐに修復されるはずだが、護堂はその時間がもどかしかった。
『く、ハハハ!残酷なことをするな貴様ら。あの娘に生き地獄を味わわせるとは。・・・助かったと思った後のこの仕打ち。あの娘は、貴様らを恨んでいるだろうなぁ!!!』
ザワリ。通信を聞きながら呆然としていた護堂の雰囲気が変化した。
「お前・・・彼女に何をした・・・?」
『ハハハハハ!なんだろうなぁ?自分で確かめたらどうだぁ?』
ギリ・・・護堂の握り締めた拳から血が流れた。噛み締めた口。今にも爆発しそうな怒りを胸に、護堂は叫ぶ!
「我は無貌なるもの。何者でもなく、全ての闇に潜むもの。混乱と恐怖、怒りと絶望。全てを糧として我は嘲笑。全ての人の子よ我を畏れよ。我は無貌の神。混沌の支配者也!」
【ステータス改竄】を使用し、間髪入れずに走り出す護堂。
(殺す・・・!コイツだけは許さない!!!)
ルリム・シャイコースまであと二十数メートル。敵にしてみれば、肉弾戦を挑む護堂は格好の的である。無数の氷の刃を作り、迎撃する。辺り一面を、刃が覆い尽くす。たったひと振りですら、高位の魔人を蹂躙出来る、最悪の凶器である。それが、ルリム・シャイコースの姿が見えないほどに配置され、護堂に向けて発射された!
「おおおおおおおおおおおおお!!!」
凄まじい速度で飛んでくるその刃は、当たれば重傷を負うのは確実だ。
『神速』を装填したとしても、避ける場所がないくらいの物量では意味がない。『耐物理』でも、これだけの数を耐えられるだろうか?数千?いや、もしかすれば、万にも及ぶかも知れない、この氷の刃の雨を。
彼の権能は、応用力が高い代わりに性能が低い。防御も攻撃も、敵の妨害だって出来る代わりに、一極集中型の権能には敵わない。この権能は、力押しというよりは、様々な手札を組み合わせて、臨機応変に戦っていくための権能なのだ。
「避ける場所がないなら・・・作ればいい!」
轟!!!
「押し通る!!!」
『グオオオ!?何だ、風だと!?』
凄まじい音と衝撃が、刃とルリム・シャイコースを襲った。それは、家屋すらゴミのように軽く吹き飛ばすほどの暴風。護堂が『嵐』を装填し、起こした現象だ。
「覚悟しろ!ルリム・シャイコース!!!」
今や護堂の周囲は、風の結界によって守られていた。近づくものを全て粉砕する、暴
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