第十話 チェスゲームですか敗北ですか
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わることもあるんだ。
能力がなかったら、俺はただの弱い人間なんだ。強がっているだけの人間だ。
「緊張しているのかい?」
一誠にかけられた言葉なんだろうが、俺も反応してしまった。緊張じゃない。恐怖だがな。
「あ、当たり前だ!こちとら戦闘経験なんて零に等しいんだぞ。それでいきなり本番だ。戦闘経験豊富そうなお前に比べたら俺は雑魚もいいとこさ」
ここで不安にさせると不味いな。俺は必死に自分の気持ちを抑える。
「ほら」
木場の手も震えている。緊張感がすごいのだろう。
「イッセーくんは僕を戦闘経験豊富だと言ってくれる。確かにそれは本当だ。でも、レーティングゲームに参加するのは初めてなんだ。悪魔同士の本気の戦い。今回が特別だとしても、本気だということは変わらない。いずれ、僕たちは否応なしに悪魔同士の競技に参加していく。これがそのファーストゲーム。油断も隙も見せられない。これは部長の眷属悪魔として全てをぶつけ合う勝負なんだよ。今後の全てにも繋がる大事なものだ。僕は歓喜とともに恐怖も感じている。僕はこの手の震えを忘れたくない。この緊張も、この張り詰めた空気も、全て感じ取って自分の糧にする。お互いに強くなろう。イッセーくん」
俺にはないのか?もしかして朱乃に勝ったから、強いと思ってるのか?メンタルはそんなに強くないんだ。
やっぱりイケメンだよな、木場は。
「んじゃ、部長が惚れ惚れするようなコンビネーションでも展開すっか」
「そうだね。力を合わせよう」
「骨は拾ってあげるわよ〜」
「紫さんも手伝ってください!」
あっはっは、お前ら男だろう?女を守れよ。その時、焼き鳥の眷属とは思えない正々堂々とした声が聞こえた。
「私はライザー様に仕える『騎士』カーラマイン!こそこそと腹の探りあいをするのも飽きた!リアス・グレモリーの『騎士』よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」
野球部のグラウンドに甲冑姿の女性。シュールだ。コスプレ感が半端ない。
「名乗られてしまったら、『騎士』として、剣士として、隠れているわけにもいかないか」
「あのバカ」
堂々と出ていく木場。悪態をつきながら追いかける一誠。
・・・・・・流れ的に俺もいかなきゃいけないのかな?
「僕はリアス・グレモリーの眷属、『騎士』木場祐斗」
「俺は『兵士』の兵藤一誠だ!」
「『兵士』の八雲紫よ」
カーラマインさん。好印象。ろくでもないあだ名をつける気にはならんな。
「リアス・グレモリーの眷属悪魔にお前たちのような戦士がいたことを嬉しく思うぞ。堂々と真正面から出てくるなど、正気の沙汰ではないからな」
俺は流れだ。うん。俺もお前みたいなのがいてくれて
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