混沌のプライド
第12話
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あげます。
「すまん、木場」
「よく頑張りました、イッセー君」
そのまま部長の傍まで連れて行ってあげると自分の力だけで立ち、膝を付いて手を差し伸べます。
「部長、帰りましょう」
「イッセー」
その手を部長が握ると今度は部長の隣に居たグレモリー卿達に頭を下げる。
「勝手な事をして申し訳ありません。ですが、我が主を連れて帰らせてもらいます」
連れて帰ると言っても僕が居ないと帰れないんですけどね。まあ今回は楽しませてもらったので代価をあげても良いでしょう。
「イッセー君、楽しませてもらったお礼です。使い方、覚えてますね?」
転移の魔剣に魔力貯蔵の効果を持たせた物をイッセー君に手渡す。
「サンキュー、木場。それじゃあ、皆、また部室で」
イッセー君が転移の剣を振り、この場から去っていく。さて、僕は僕で用事を済ませましょうか。ライザー様に向かって一言告げる。
「起きていらっしゃるのでしょう、ライザー様」
「……ふん、気付いていたのか」
「ええ、まあ気絶していたのは確かな様ですけどね。治療、要りますか?」
「いらん、この程度、少し休めば治せる」
妹であられるレイヴェル様に支えられながらライザー様が立ち上がる。
「それにしても、貴様は一体何者だ?あの十字架を普段から身につけているなんて。マゾか?」
「いえいえ、僕は教会から追われた身とは言え、信徒ですから。日々主への祈りを捧げ、十字架を身につけ、それによって受ける苦痛は主から与えられた試練と思っています。慣れれば結構どうにかなるものですよ」
イッセー君が落としていった十字架を拾い上げて首に掛け、服の中に入れてみせます。
「悪魔らしくないとお思いでしょうが、僕の生きる道ですから。どんな環境におかれ様が、僕は主への信仰は止めませんよ。これもまた欲望の一つですから」
「……歪んでいるな。それも酷く。だが、欲望に忠実なのは実に悪魔らしい」
「お褒めに預かり恐悦至極」
恭しく一礼した後に鎧砕きと兵士殺しを作り出してライザー様に差し出す。
「フェニックス卿のコレクションだったのでしょう。イッセー君が壊した物の代わりです。壊された物よりも性能は上がっています。それから」
間近で見て、触れて、解析したことで産み出せる様になった新たな魔剣。フェニックスそのものと言える新たな概念の魔剣。折れようと砕けようと、炎と共に再生する魔剣。魔剣フェニックスを産み出す。
「これは僕の新作です。ライザー様のおかげで完成した、魔剣フェニックス」
「魔剣、フェニックス?」
「フェニックスの特性を宿した魔剣です。折れようが砕けようがフェニックスの如く蘇る魔剣です」
そう言って剣を叩き折り
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