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アーチャー”が”憑依
一話
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かりに先程もらった卒業証書に浮かび上がる“立派な魔法使い”になるための修行の地はどこかと尋ねる。

「私はロンドンで占い師をすることだったわよ」

「先ほど見た時はまだ浮かび上がっていなかった。しかし、そろそろ浮かび上がってもいいころだろう」

ネギは丸めて脇に抱えていた卒業証書を開いた。すると、まるで見計らったかのようなタイミングで光り輝く文字が浮かび上がり始めた。浮かび上がった文字、それは……

“A TEACHER IN JAPAN”

日本で教師をすること、だった。






「校長! 日本で教師ってどういうことなんですか!?」

「ネギはまだ十歳なのよ!?」

ネギの修行の地を見てから、ネカネとアーニャは校長につめかけに行った。当の本人であるネギはそんな二人にため息をつきながらも後を追ったわけだが……

「ほほう、日本で教師か……これまた大変な課題をもらったのう」

長く伸ばした髭を手で弄びながら校長は呟く。ネギはそんな校長をジッと見ていたわけだが、不意に二人の視線が重なった。

「修行先の学園長はワシ友人じゃ。頑張ってきなさい」

その言葉でネギは確信した。もちろん、全てと言うわけではないだろうが校長は自分の意を汲んでくれたであろうことに。

「了解した。爺さんの友人と言うのがいささか不安ではあるが、主席に恥じない程度には頑張ろう。それに丁度いい。直接顔を合わせたことはないが、向こうには手紙のやり取りをしているものがいるのでな。会うことにしよう」

こうして、見習い魔法使いネギ・スプリングフィールドは立派な魔法使いになるために……本当にそうなのだろうか? とにかく、少年はまだみぬ地日本“麻帆良”へと旅立って行った。





[次は、麻帆良中央駅です]

電車内にアナウンスの声が響く。それを聞いたネギは、閉じていた目を開き呟いた。

「ようやく着いたか」

これより、世界で最も稀有であろう少年と元気な31名の少女達の物語が始まる。





「ふむ、これを登校風景と呼んでもいいのかいささか疑問だな」

周りにはバイクの二人乗りをしながら肉まんを売るもの。インラインスケートなどを履き、路面電車につかまっているもの。およそ、普通とは言い難いものがある。
これからの生活に若干の不安を覚えそうになったが、魔法使いの修行とはいえ子供を教師に迎え入れるような学園だ。ネギはいまさらと割り切ることにした。
そのまましばらく走り続けていると、ネギの耳に隣を走る二組の少女に会話が入ってきてしまった。盗み聞きとは褒められた行為ではないがこれだけ密集していれば、聞こえてしまうのも無理はなかった。

「好きな人の名前を10回言ってワンと鳴くと効果ありやて」

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