暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
再び出会う雪の少女
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養価など期待できない。
なので、偶には他のものも摂らないと栄養バランスが偏る。
ビタミンとかミネラルとかね。
「ほうれん草……ベーコンバターソテーがいいか。玉葱は……基本炒め物かな」
どんな料理に使うかを具体的にビジョンし、適量ずつ買い足していく。
何故か食い扶持が一人増えたので、それを掛け算しつつ食材の量を合算する。
肉類はまだ家に残りがあるので、そちらは放置。
ひとまず野菜のみを買い、後はまた別の機会に買い物をすればいいかと八百屋さんを跡にする。
片手にビニール袋を提げて、商店街をブラブラと練り歩く。
他に買わなければならないものはないので、散歩のようなものだ。
そんな道中、ふと端にある大判焼きが目に止まった。
ふむ、ちょっと甘味どころが欲しいかもしれない。
そう。何を隠そう、俺はスイーツ好きな男子である。
和風洋風問わず、基本的に食べたいと思ったときには食べる。
かといって、甘味に対して無限の胃袋を持つ女子たちほどではない。
アイツらは対甘味物最終兵器であり、一昔前にはそれで手痛いダメージを受けたことがある。
主に俺の懐事情に。
「フェンサー菓子類とか食うのか……? 普通に飯食うんだから、菓子類は食べないとかはないか」
ふらふら〜と、匂いに釣られるように店先へと足を運ぶ。
店員さんに二つの大判焼きを頼み、焼き上がるのを待つ。
元々用意しておいたものを焼くだけなので、それほど待たされることもない。
焼き上がるまでの行程を、呆、と眺める。
1分ほどそうしていたら、ふと、店員さんが話しかけてきた。
「お連れの子、可愛らしい娘ですね」
「は? お連れの子?」
一体誰のことだ?
今は別段デート中でもないし、フェンサーだって家で待機中。
並んでいる人も居なかったし、連れているように見られる人物など居ないはずなのだが。
誰か後から並んだ人を勘違いしたのだろうか?
そんな店員の一言に、何の気なく後ろを振り返ると──────
「………………」
────ナニか、居た。
ソレは振り返った俺の顔をじーっと見つめたまま、何かを話すということもない。
けれど周りから見れば他人とは言えない距離に位置取りながら、そのナニかは俺から目線を外そうとしない。
なるほど。ずっとこんな状態だったのなら、知り合いと思われるのも当然だろう。
「はい、どうぞ。お熱くなってますので気を付けてくださいね」
「あ、はい……」
流れ作業のように代金を支払い、再び商店街を歩き出す。
すると、その白いナニかも一緒に付いてくる。
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